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入浴施設にレジオネラ菌、3人発症し1人死亡
2014年06月15日 15時22分
埼玉県は14日、北本市二ツ家の日帰り入浴施設「湯楽ゆらの里 北本店」を利用した男性3人がレジオネラ症を発症し、このうち1人が死亡したと発表した。
同施設の浴槽から基準値(100ミリ・リットル中10個未満)を超すレジオネラ菌が検出され、県は同日、営業停止処分にした。同施設は3日から営業を自粛している。
県疾病対策課によると、死亡したのは、桶川市の男性(66)。5月18~21日に複数回利用した後、29日に発熱と呼吸困難で入院。今月3日にレジオネラ症による肺炎で死亡した。
ほかの2人は、県北東部に住む83歳と60歳で、死亡した男性と同じ時期に入浴後、肺炎などで入院した。60歳の男性は既に退院したが、83歳の男性は重症で入院中という。
県鴻巣保健所が5月末に同施設の全14浴槽を採水したところ、男女の露天風呂から基準値を超えるレジオネラ菌を検出。死亡した男性から検出された菌の遺伝子パターンと一致していることが14日に判明し、同施設が感染源と特定した。
県条例は、浴槽の循環濾過ろか器を1週間に1回以上洗浄することなどを定めており、同施設の責任者は「規定通り洗浄をしていたが、消毒用塩素の濃度が不十分だった可能性がある」と話している。県は、同施設の利用後に発熱などの症状があれば、医療機関を受診するよう呼び掛けている。
この日、同施設の入り口には「当面の間、設備不良のため休館」との看板が置かれていた。2002年のオープン当初から週に1、2回訪れているという、桶川市の主婦(52)は「遠方から来る人もいる人気店。従業員が頻繁に浴室内のゴミ拾いをしていて、とても清潔で気に入っていた。信じられない」と驚いていた。
同施設を運営するサンフジ企画(東京都渋谷区)によると、関東に同様の入浴施設19店舗を展開。このうち県内には5店舗がある。
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