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がん治療:ワクチンセンター開所 福岡・久留米大
毎日新聞 2013年07月12日 08時55分(最終更新 07月12日 09時06分)
個々の患者に合ったペプチドワクチンを準備するスタッフ=福岡県久留米市の久留米大学医療センターで2013年7月11日(上村)
新たながん治療法として注目されるがんペプチドワクチン療法専門の外来と研究施設「久留米大学がんワクチンセンター」が11日、福岡県久留米市国分町の同大医療センター内に開所した。ペプチドワクチンのがんセンターとしては世界初。
ペプチドワクチン療法は、がん細胞表面のペプチド(たんぱく質の断片)を利用したワクチン投与により、人体の免疫機能を維持する「キラーT細胞」が刺激を受けて増殖、ペプチドを目標に攻撃し、がん細胞を破壊する。がんの進行を遅らせたり、延命効果が期待でき、副作用が少ないという。同大は個々の患者に合わせてワクチンを組み合わせる「テーラーメード型」治療を進めてきた。
診察室5室、研究室17室を備え、伊東恭悟センター長以下、39人の医師や看護師、研究スタッフらが所属。従来は1日20人程度だった患者が40〜50人程度対応可能になり、治験を進めている前立腺がんと、脳腫瘍の中でも重度の膠芽(こうが)腫に対するワクチン実用化への弾みになると期待される。
伊東センター長は「健康保険が適用されるよう、3〜5年後には医薬品申請をし、患者の元に届けたい」と抱負を語った。
診療対象は、婦人科がんなどを除くがん一般。診療は月〜金で完全予約制。【上村】
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