個展:豊かな気持ち 自閉症の７歳・紗亜弥ちゃん 日滋賀

长江

個展:豊かな気持ち、届いて　自閉症の７歳・紗亜弥ちゃん、大津で　母裕子さん「温かく見てほしい」　／滋賀

毎日新聞　2013年06月03日　

　自閉症の診断を受けた大津市立中央小２年、松濤紗亜弥（まつなみさあや）ちゃん（７）の絵を紹介する初の個展「さあやのえのせかいへようこそ」が２日、同市浜大津の明日都浜大津で開かれ、家族連れでにぎわった。紗亜弥ちゃんの家族は「自閉症への理解が深まるきっかけになれば」と、今後も個展を続けたいと話している。【加藤明子】

　展示されているのは、紗亜弥ちゃんがスケッチブックにボールペンで描いた約１２０点。毎朝起きるとまず、ペンを手に取る。動物やテレビアニメーションのキャラクターが多い。大きな風船のひもにぶら下がるタヌキやウサギ、豚。塀の上から顔を出したアニメキャラクターを見つめる２匹の猫の後ろ姿など、構図もユニークだ。

　紗亜弥ちゃんは２歳のときに医師から自閉症と言われた。会話は今も二つの単語を並べる程度。絵は１歳ごろから毎日２０枚ほど描いてきた。家族と出かけた日の夜、その日の家族と同じようにバッグを提げたウサギを描いた。ウサギの楽しげな表情から、母裕子さん（４０）は紗亜弥ちゃんも「楽しんだ」と気持ちを読んだ。

　訪れた名古屋市中区の僧侶、桂晃清さん（３９）は「反省したり、歯を食いしばったり、動物たちの表情が豊かで心温まる」という。裕子さんは「人混みでパニックになり、大声を出したら、『迷惑な子だ』と言われた。困った子ではなく、困っている子だと温かく見守ってほしい。個展を通じ、自閉症の子どもの心情を少しでも理解してもらえれば」と話している。１日限りの個展だったが、来年も開きたいという。