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統合失調症やうつ病など5つの精神障害の一部遺伝子が一致か=研究
Getty Images
統合失調症や自閉症、うつ病など5つの精神障害は、一部の遺伝子が一致するとみられるとした研究報告書が、27日発行の医学雑誌ランセットで発表された。一部遺伝子が同一であるとされた精神障害の疾患数としては、これまでで最大。
報告書は、5つの精神障害では一部の遺伝子が一致すると思われる証拠を提示しており、将来的には行動症状だけでなく、生物学的過程での不全に基づく精神障害を診断するのに役立つことになりそうだ。
これまでも、統合失調症と躁うつ病の遺伝子の一部が一致することを示す研究が発表されているが、今回の研究ではさまざまな精神障害の間に遺伝子上の関連性がありそうなことが初めて明らかになった。
報告書は国際的な規模の共同研究の成果で、統合失調症、躁うつ病、大鬱病、自閉症、注意欠陥多動性障害の患者約3万3000人を比較調査した。研究者らは、これら5つの疾患に関係する一塩基変異多型に注目し、疾患に関連したいくつかのゲノム領域を特定した。
この研究には携わらなかったが、コメントを付記したボローニャ大学精神医学研究所のアレサンドロ・セレッチ教授は、報告書は高水準のものだとする一方で、今後は特定された遺伝子がもたらす影響について理解を深める努力を行う必要があると述べた。
報告書の著者らは、これらの遺伝子は人口レベルで精神障害を引き起こすリスクを高めることに関係するが、変異遺伝子を持っている個人が発病するとは限らないと注意を喚起している。
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