中国の富豪を調査 平均３８歳、贈答品には国産品使わず

旅行家

中国の富豪を調査　平均年齢３８歳、贈答品には国産品使わず　
　
2013.1.30 11:08

　中国は急速な経済発展の中で、多くの富豪を生み出しているが、その多くは若者である。大学を出て間もない若者にも、多くのビジネスチャンスが転がっており、彼らはリスクをものともせずに挑戦していく。中国で名の知れた企業でも、トップは３０代、４０代というところが少なくない。

　中国の民間調査機関である胡潤研究院（英国人のルパート・フーゲワーフ氏が創始者）が、資産１０００万元（約１億４６００万円）以上の５５１人（うち６９人は資産１億元以上）の富豪を対象に調査したところ、平均年齢は３８歳という結果が出た。資産１億元に絞った場合でも、平均年齢は４０歳だった。

　米フォーブスの２０１２年富豪ランキングをみても、確かに若手の台頭が目立っている。習近平総書記が最近、訪問して話題になった中国インターネットサービス大手の騰訊。その創始者の一人で開発担当責任者の張志東氏は、まだ４０歳になったばかりである。株式不況の中で同社株は昨年、２５％も上昇し、張氏の資産も１５４億４０００万元に膨れ上がった。

　富豪ランキングの常連である女性の楊恵妍さん（資産額２７７億２０００万元）は、まだ３１歳である。彼女は広州を拠点としている不動産業、碧桂園の楊国強会長の娘さんだ。株式を譲り受けて、一躍トップクラスの富豪にのし上がった。

　このほか、湖北省の広告代理業、卓爾伝媒の経営者である閻志氏は３９歳だし、鉄鋼・化工など３０余りの企業を経営する遼寧方大集団の方威会長も３９歳の若さである。

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　胡潤研究院の調査では、これら若手富豪の生活ぶりについても詳細に聞き出している。たとえば、「１カ月の３分の１は各地へ出張している」「平日の睡眠時間は平均６．６時間。うち３割は６時間以下」「約６４％が不動産に投資している」「３分の１は子供を海外に留学させている。行き先は米国、英国、カナダの順」「７０％が微博（ミニブログ）をみている」「車の所有台数は２．８台」「贈答品のべスト１０には国産品が１つも入っていない」などだ。

　これらのアンケート結果から、携帯電話やタブレット端末を片手に、忙しく国内外を飛び回っている若手経営者の姿がみえてくる。リスクを冒したがらず、国内志向の強いどこかの国の若者とは、ずいぶんと違う。中国経済はさまざまな問題を抱えてはいるが、こうしたベンチャー精神に富んだ若者がいる限り、成長は続いていこう。（拓殖大学国際学部教授・藤村幸義）