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自閉症児・者作品展:独創的な力作100点−−川崎 /神奈川
毎日新聞 2012年10月23日 地方版
川崎市内の自閉症児・者が制作した芸術、工芸作品の展示会が22日、多摩区役所(同区登戸)の1階アトリウムで始まった。力作約100点が並び、豊かな個性が多くの人を引きつけている。26日まで。
市内の自閉症児・者の親などで作る、市自閉症協会の主催。自閉症は「コミュニケーションを取りづらい」といった側面ばかりが強調され、誤解されていることが多い。そんな状況を変え、正確な理解を進める目的で展示会を企画したという。
絵画や書、紙で作った模型など、作品のジャンルは幅広い。特徴的なのは、細部まで精密に表現したり、独特の遠近法を用いたりしているなど、深い独創性が表れている点だ。石川葉子副会長(56)は「針の穴のような微細なことに気付けたり、天才的な表現ができる子もいる。彼らの特性、世界観は得がたい」と話す。
親が体験したうれしかったこと、悲しかったことをつづったミニエッセーコーナーもある。石川副会長は「自閉症は名前だけが独り歩きし、社会で『おかしな子ども』と誤って認識され、悲しいことがたくさんあった。しかし、『できること』や『彼らにしかできないこと』も多い。多くの人に思いや可能性を伝え、社会にもっと受け入れてもらえればうれしい」と話している。【倉岡一樹】
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