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虐待を受けた女性と自閉症リスクの関連 米研究
2013年03月27日 PM07:13
自閉症の子どもが生まれるリスクが60%上昇
子どもの時に精神的・身体的な虐待を受けた女性から、自閉症の子どもが生まれる確率が高まるとの研究結果を20日、米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)が米精神医学専門誌「JAMA Psychiatry」オンライン版に発表した。
虐待体験のある女性は、虐待体験のない女性と比べて自閉症の子どもが生まれるリスクは約60%も高まるという。
研究では、「米国ナースヘルス研究II」の5万人以上のデータを分析。そのうち、自閉症の子どもを持つ母親は451人、子どもが自閉症ではない母親は5万2498人。
虐待体験が免疫系とストレス耐性に作用
研究チームは、虐待に加えて妊娠時の自閉症リスクに関する9つの要因(妊娠糖尿病、喫煙、早産など)も分析した。
その結果、虐待を体験したことのある女性は、出生時の低体重を除いた他の要因のどれよりもリスクが高かった。おそらく、虐待体験が免疫系とストレス耐性に作用し、子どもの自閉症リスクに影響を及ぼしていると考えられる。
アンドレア・ロバーツ研究員は、「今後、研究の結果の背後にあるメカニズムを探求するために、また、研究結果を裏づけるためにもさらなる研究が必要である」と語った。
だが、今回の研究結果は「まったく新しい自閉症のリスク要因」であり、妊娠中における自閉症リスク要因を絞り込むことにも役立つはずだ。(太田みほ)
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