日全国障害者スポーツ大会:高機能自閉症藤井翼初出場

长江

全国障害者スポーツ大会:祖父が贈ったスパイク履き　高機能自閉症、下関の藤井翼さん初出場　／山口

毎日新聞　2012年10月11日　地方版

　◇ぎふ清流大会、４００メートルなど３種目に挑む

　高機能自閉症10+件の障害のある藤井翼さん（１７）＝下関市勝谷＝が、１３日に岐阜県で開幕する「第１２回全国障害者スポーツ大会　ぎふ清流大会」の陸上競技３種目（４００メートル▽１００メートル▽リレー＝知的障害・少年）に出場する。人前に出るのが苦手だが、初めての大舞台に挑戦する。【平川昌範】

　◇「緊張するけど、頑張ります」

　中学校の支援学級でも毎日ランニングをしていたが、本格的に陸上を始めたのは県立宇部総合支援学校＝宇部市東須恵吉信＝高等部の陸上部に入部後。母由美さん（４３）が「意外だった」と言うほど才能を現し、県内の大会で入賞を重ねた。

　昨年１０月、山口国体を観戦。短距離走で知られる福島千里選手の走りを間近で見た。「すごい。あんなふうに走れたら−−」

　放課後の練習にもいっそう熱が入り、足の裏のマメがつぶれるほど走り込んだ。今年５月２０日に山口市で開催された選考会で、１００メートルを１２秒６２▽４００メートルを５６秒４０の好タイムで駆け抜け、県代表に選ばれた。４００メートルは大会新記録だった。

　今大会では、大好きな祖父吉本定（さだむ）さん（７８）が昨年春に買ってくれたスパイクシューズを履く。「緊張するけど、できるだけ頑張ります」

　大事そうにシューズを持ち、活躍を誓った。