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不登校、自閉症…子供たちの「居場所」25年
「子供といると長生きできる」と話す内堀代表
(2013年8月31日 読売)
千葉県柏市豊四季のフリースクール「ゆうび小さな学園」が、創立から25年目を迎えた。
放課後の居場所としてスタートし、不登校や自閉症など様々な子供たちの心のよりどころとなってきた。25周年を記念し、9月には発達障害をテーマにシンポジウムを開く。
同園は、東京都内で小学校教諭を40年務め、普通学級に自閉症児を受け入れる教育を実践してきた内堀照夫代表(83)が、自身の信条に共鳴してくれたかつての教え子たちの保護者から資金提供を受け、1989年に設立した。
ミニ体育館に園庭、プールなどを備え、当初は児童が放課後を過ごす場として出発。その後、自閉症やダウン症、学習障害などのハンデを持つ子供や、不登校の児童生徒も受け入れるフリースクールとなった。3年前からは福祉作業所としても活動。現在は小学生から30歳代まで57人が通い、このうち45人が不登校かその経験者だ。
内堀代表は「様々な個性や特性を持つ子供や若者が、ありのままで居られる場」が園の理念という。サッカーが上手な子、ピアノやギターを弾くのが得意な子、大騒ぎするのを楽しむ子、静かに過ごすのが好きな子などが、家族のような、遊び仲間のような雰囲気で生活している。
競争や規則はほとんどなく、通園時間のほか、遊ぶのか勉強するのかも自由だ。バザーや文化祭、遠足といったイベントも多く、2002年からは毎年、柏まつりのねぶたパレードに園生が山車を手作りし参加している。スタッフは内堀代表を含め8人。土日や休日も開園し、園生たちは「学校のような家庭のような空間」と話す。
内堀代表は「心配させる子もたくさんいるが、子供といると飽きない」と25年を振り返る。「今後も一人ひとりに目の行き届く運営をしていきたい」と語る。
シンポジウムは9月8日午後1時半から同園(柏市豊四季360の2)で行われ、児童精神科医の石川憲彦さん(66)を講師に、発達障害との共生について考える。参加は無料で定員100人(当日受け付け)。問い合わせは同園(04・7146・3501)。(小谷野直樹)
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