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シリア、迫る軍事介入 米攻撃「数日内」の見方も
2013年8月28日10時6分
図:化学兵器使用が疑われる主な地点
シリアのアサド政権に対し、米欧が数日中にも空爆などの軍事介入に踏み切るとの見方が強まっている。きっかけは21日、首都ダマスカス郊外で多くの犠牲者を出した化学兵器の使用疑惑だが、過去には虚偽情報をもとに戦争に突入したイラクでの苦い経験も。軍事行動に踏み切った場合の着地点は見えないままだ。
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■「数日内」の見方も
【ワシントン=大島隆、モスクワ=関根和弘】「この無差別虐殺は非倫理的な忌まわしい行為だ。オバマ大統領は化学兵器を使った者は責任を負わねばならないと信じている」
ケリー米国務長官が13-8-26日の会見で強調したのは、人道や大量破壊兵器の拡散防止の観点から、米国が行動することの正当性だった。
軍事介入に慎重姿勢だったオバマ政権だが、大統領自身が昨年8月に「越えてはならない一線」と明言した化学兵器の使用を、アサド政権が「否定のしようがない」(ケリー氏)形で実行した。ホワイトハウスや米軍内には今も慎重論があるが、米外交問題評議会のリチャード・ハース会長はオバマ政権が強力な措置に踏み切らなければ(1)大量破壊兵器使用を許容することになる(2)大統領の言葉への信頼に関わる、とみる。
米政府は現在進められている国連の調査とは別に、今回の化学兵器使用疑惑に関する目撃証言や科学的な証拠を独自に分析。早ければ今週中にも結果を公表する。オバマ大統領はこれを踏まえ、最終的な対応を判断する予定だ。
ヘーゲル国防長官は27日、オバマ大統領に対して軍事行動の選択肢を示したと明らかにし、「大統領がどれを選択しても、我々は(軍事行動の)用意ができている」と述べた。米軍はすでに巡航ミサイルを発射できる駆逐艦を近海に配備。米NBCはオバマ政権高官の話として、早ければ8-29日にも米国が限定的なミサイル攻撃に踏み切る可能性があると報じた。
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