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奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」(阿斯伯格症) (日本)

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1#
发表于 2013-6-15 13:23:41 | 只看该作者 回帖奖励 |正序浏览 |阅读模式
2013年06月15日(土) 奥村 隆

奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第31回】
「上司に嫌われているから、自分の企画が通らない」と考える人々

職場の同僚たちに大きな不快感を与えた

 最近、言動が気になって仕方がない1人の男がいる。

 それは2ヵ月近く前、僕の職場に新たに着任してきたS君という20代後半のディレクターだ。体格は中肉中背で、普段は誰とでもよく喋る印象がある。

 S君は、首都圏の有名私立大学を卒業してから、ずっとフリーランスのディレクターとして、いくつかのニュース番組を制作してきた。そして今年の春、僕が働くテレビ局に入ってきたのである。

 S君はいつも、さかんに貧乏ゆすりをしながらあちこちに電話を入れ、要領よく仕事を進めているように見えた。おそらく同僚たちは最初のうち、S君に対し、他のディレクターととりたてて変わりがないという印象を持っていただろう。

 しかし僕は、あるときから、S君のことが気になって仕方がなくなった。それは、彼の言動が、ASD(自閉症スペクトラム障害)を抱える息子の言動、そして、僕の言動(特に昔の僕の言動)によく似ていることを発見してしまったからだ。

 その傾向は、中でも、職場で「自分の思い通りにならない状況」に陥ったときに顕著だった。S君は、事態が自分の想定と異なったものになると、必ず顔色を変え、汗をかき、身体が動かなくなり、要はパニックに陥ったような反応を示すのだった。まさに息子や僕とそっくりで、そういう場合の彼の言動を目の当たりにするたびに、僕は内心、「このSという男は、俺たち親子と同じタイプの人間に違いない」という確信を深めていった。

 もちろん、S君がASDを抱えているというのは、本人から直接聞いたわけではないので断定はできない。しかし僕にとって、今まで「この人は発達障害に違いない」と推測して、それが間違っていたことは、少なくとも自ら把握している限り、一度もなかった。

 職場では、周囲の同僚たちはともかく、僕自身はS君の言動に戸惑うことはあっても、不快になったことはほとんどない。それは、僕自身がASDを抱えていることや、日々、息子のASD特有の言動を目の当たりにしていることと無関係ではないと思う。

 ただ、S君が職場の同僚たち(正確に言えば、同僚のうち、発達障害を抱えていない人たち)に大きな不快感を与えた様子を目の当たりにしたとき、僕は、ASDを持つ人間が社会人として組織で生きていくことの難しさを改めて強烈に思い知らされた。同時に、息子の将来に改めて不安を募らせ、暗然とした気持ちにならざるを得なかった。

12#
发表于 2014-7-26 16:53:07 | 只看该作者

奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第39回】

2013年09月28日(土) 奥村 隆

奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第39回】

「あなたの育て方が悪いから息子さんはASDになった」と言う医師

しばらく息子の顔を見ていない

僕はしばらく前から、非常に忙しい毎日を過ごしている。その理由はたった一つ、「東京オリンピックが決定したこと」にある。

9月7日(日本時間8日)にブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、2020年のオリンピック開催地が東京に決まったのはご存じの通り。それを受けて僕は、担当している番組で、オリンピック絡みのVTRを連日のように制作し、放送することになった。

こう言うと、「ASD(自閉症スペクトラム障害)を抱えている奥村さんは、予測していなかったオリンピック開催地決定のニュースのせいで、パニックになってしまったのではないか」と心配してくださる方もいるかもしれない。

確かに、この決定も、それを受けた日本国内の盛り上がりも、僕にとっては事前に想定していた話ではない。だから、矢継ぎ早に関連した番組の仕事を命じられた直後は、焦りのような強い感情が湧き上がってきて、すぐには頭も身体もうまく動かなかったのは事実だ。

しかし、実際に仕事が始まってみると、その内容はある程度事前にスケジュールが立てられるので、感情の激しい揺れは収まった。むしろ、あまりにも忙しいことにやや閉口気味である(ただし、忙しさによって僕がパニック状態に陥ることはない。パニックになって精神的に恐慌をきたすより、多忙による疲労の方が、僕にとってはつらさが少なく、まだましである)。

そういう事情で、取材や編集などの作業に忙殺され、ほとんど自宅に帰れていないので、息子の顔もろくに見ていない。妻はどうやら、息子について相談したいことがあるような気配なのだが、おそらくはこのところ超多忙になった夫を気遣って、何も言わない。

したがって僕は、ここ2週間あまり、息子に何らかの変化が起こっているかどうかを把握していない。妻が何も言ってこないのは、特に重大なことは起きていないからだろうと自分勝手な推測をしている(妻の辛抱強さと寛容さに甘えているわけで、何とも申し訳ない)。

だからというわけではないが、今回もまた読者からの質問にお答えしたいと思う。まずは前回、回答を保留したあの質問から。ただし、すべての回答が、あくまでも僕の個人的な体験、学習、感想などに基づくものであることは、あらかじめお断りしておく。

僕も自分なりに、いろいろ資料や書籍を読んで発達障害やASDに関する知識を蓄積したつもりだが、当然ながら素人勉強であり、限界がある。厳正なデータや学説や治療を求めている方や、深刻な状況にある方は、きちんとした専門家に当たって頂きたいと思う。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37115

11#
发表于 2013-8-31 11:01:00 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」(阿斯伯格症) (日本)【第38回】
深夜、1人で罵声を張り上げる若き天才ディレクター

2013年08月31日(土) 奥村 隆

ときどき休載してしまい、申し訳ありません:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36868

10#
发表于 2013-8-31 10:51:21 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」(阿斯伯格症) (日本)【第37回】
「スケジュールの空白」に耐えられない僕の、最高の夏休み

2013年08月17日(土) 奥村 隆

上司の善意の一言が、僕の心を激しくかき乱した:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36751

9#
发表于 2013-8-4 19:14:25 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」(阿斯伯格症) (日本)【第36回】

2013年08月03日(土) 奥村 隆

父を悲しませてしまったことを思い出し、今も胸が痛む

学校でたった一つ好きなのが「時間割」:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36615



(奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第35~32回】: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36418
8#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:46:20 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第27回以及第27回之前的】

2013年05月11日(土) 奥村 隆

「まっすぐ家に帰る」ことができず、泣き叫んだ少女
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」

3時間もしゃがみ込んで、道端の花を見ている:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35764

7#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:42:20 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第28回】

2013年05月18日(土) 奥村 隆

せっかくの誉め言葉が、なぜ息子の心を激しく掻き乱したのか
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」

父親の問いかけをまったく無視した息子:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35848

6#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:40:01 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第29回】

2013年05月25日(土) 奥村 隆

「嫌なこと」から逃げようとする息子は、将来、生きていけるのか
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」

「今日、学校に行くのは絶対に無理だからね」:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35933

5#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:31:21 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第30回】

2013年06月08日(土) 奥村 隆

期待の言葉をプレッシャーに感じ、最低の嘘を吐いてしまった
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」

「あんたも昔は逃げ回っていたよ」と言われて:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36076

4#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:28:05 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第31回】 4
「上司に嫌われているから、自分の企画が通らない」と考える人々:

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36138?page=4

3#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:27:17 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第31回】 3
「上司に嫌われているから、自分の企画が通らない」と考える人々

質問の集中砲火を浴びて、炎上してしまった

 ふと、彼が作成した資料をめくってみて、僕は少し当惑してしまった。もちろん、企画の概要はわかるのだが、どのようにして何を伝えたいのか、なぜこの企画を番組にするのか、さっぱり伝わってこなかったからだ。

 S君の話を聞いても、その印象は変わらなかった。なぜなら彼のプレゼンは、基本的に資料を読んでいくものだったからだ。これで大丈夫なのかな、と僕は案じた。

 その危惧は的中した。プレゼンが終わるや否や、上司や同僚たちから次々と厳しい質問が飛んだからだ。

「こんなに分厚い資料を作ったのはいいけど、この企画の意図は何なんだ? 何を伝えたいんだ? 資料を見ても君の話を聞いても、はっきりしないんだよ」

「こんなに分厚い資料を作ったのはいいけど、結局、君はいったい誰と誰を取材するつもりなんだ? 全然わからない」

「資料にはいろいろな人名や組織名が出てくるが、これは取材先のつもりか? それとも参考として書いただけなのか? 取材先だというのなら、この全部を取材するのに何日かかるのか、何日で編集するつもりか、考えてるのか? たった5分の企画ものだぞ」

「そもそも、どうして今、この内容を番組で取り上げなきゃいけないんだ? その説明がほしいんだよ」

「資料にはいろいろな情報が書かれているけれども、信憑性がどれだけあるかよくわからない。情報の根拠は何なんだ?」

 こんな集中砲火を浴びたS君だったが、それでも顔に汗を浮かべながら必死に質問に答え、何とか皆を納得させようと頑張っていた。しかし、それは無理な相談だった。

 一連の質問から容易に推察できると思うが、S君の企画は、一言で言えば、中身がスカスカだったからだ。資料は分厚くカラフルで立派なのだが、書かれているのは、根拠のよくわからない本人の思い込みと、インターネットのさまざまなページをコピペしたような情報ばかりだった(コピペした証拠に、各情報ごとに説明の文体が異なっていた)。情報の裏取り(事実関係の確認)をした形跡はゼロだった。

 前述したように、企画の狙いもよくわからないし、今なぜこれを番組にするのかの理由も明確ではない。率直に言って、とてもテレビ番組の企画とは呼べない代物だった。いくら5分程度の短いものとはいえ、採用されるはずがなかった。

「何年かフリーのディレクターの経験がある男だけど、企画力はまだ新人に毛が生えたようなレベルだな。一から鍛えなきゃいけないかもしれない」

 そんなことをぼんやり思いながら、S君と他の出席者たちのやりとりを聞いているうちに、僕は次第に苛立ちを感じ始めた。厳しい質問の嵐に遭って炎上し、暗黙のうちにしっかりダメ出しをされているのに、S君はそれに気づかず、いつまでも理屈をこねくり回して提案を引っ込めなかったからだ。

2#
 楼主| 发表于 2013-6-15 13:25:22 | 只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第31回】 2
「上司に嫌われているから、自分の企画が通らない」と考える人々

わずか5分の企画のため、異様に分厚い資料を作る

 前にも記したが、僕が働くテレビ番組の制作現場には、僕と似たタイプ、つまり発達障害の人間独特の言動をする者が明らかに多い(第20回参照)。分単位どころか秒単位で時間にこだわる同僚、事前に細かく計画立案しておくことに異常に厳しい先輩、自分が制作に携わったニュース番組の映像の全カットを覚えている上司・・・。

 中には、いっさい場の空気が読めず、相手の気持ちにも配慮せず、会社の"偉いさん"に向かって、「『コンプライアンスが重要だ』とおっしゃいますが、以前、僕の上司だったときは『グレーな部分に踏み込んで仕事をする度胸を持て』とおっしゃっていたじゃないですか」と正論で詰め寄ってしまう者もいる。

 彼らは総じて、他人とのコミュニケーション能力が低い。だから、発達障害に由来する特徴を持たない"普通の人"に対して、思いもかけないときに、思いもかけないひどいことを言って、軋轢を起こしてしまいがちだ。

 そうなれば、当然、言われた側は怒る。一方、傷つけてしまった「空気を読めない側」は多くの場合、相手が何に怒っているのか理解できず、戸惑うばかりになる。

 この点についてのみ、ASD的な傾向を持つ職場の同僚たちと、僕の息子は違っていた。息子が家の中でときどき見せる感情の爆発や、大声でわめき散らす行動は、少なくとも、職場で見たことがなかった。発達障害を持っていると思われる同僚たちは、激情をあらわにしない代わり、ただ周囲との違和感や居心地の悪さに悩んでいるように見えた。

 しかしS君は、その点で、似た傾向を持つ他の同僚たちと決定的に異なっていた。そのことが明らかになった大きな"事件"が、彼の入社から1ヵ月ほど経ったときに起こった。

 その日の午後2時過ぎ、会社の最上階の会議室に、記者、ディレクター、アナウンサーなどスタッフ全員が集められ、ニュース番組の企画会議が開かれていた。求められていたのは、「企画もの」と呼ばれる5分程度のコーナーのプランである。

 僕も、新米ディレクターのS君も出席して、考えた企画を上司の前でプレゼンすることになっていた。会議室にはコの字型に机が並べられ、出席者はその周りに座って順番にプレゼンをしていった。

 会議が始まって30分ほどが経過し、S君が説明する番になった。彼はものすごい勢いで立ち上がると、緊張のせいか興奮のせいか、ぴょんぴょんと跳ぶように小走りして、自分で作成した分厚い資料を全員に配っていった。「Sの奴、もっと落ち着けばいいのにな」と僕はひそかに思った。

 配付された資料を見ると、パワーポイントで作られ、カラー印刷されて、非常に見やすくデザインされていた。ただし、分量の多さが異様だった。たかだか5分くらいの企画ものの資料なのに、A4の用紙で20ページ程度もあったのだ。

 S君の様子は、最初こそ緊張気味だったが、プレゼンが始まると次第に堂々としたものになった。「これは絶対に面白いです!」と全身で訴えるような雰囲気を醸し出しながら、早口で企画の説明をしていく。ここまでは、テレビの制作現場でよく目にする光景だった。

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