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不正アクセス
中国人2人、企業の銀行口座から引き出し
毎日新聞2016年2月26日 11時19分(最終更新 2月26日 11時19分)
社会
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警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑などで逮捕
インターネットバンキングに不正アクセスし、企業の銀行口座から1億円近くを別の口座に送金した上で一部を引き出したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は16-2-26日、いずれも中国籍で東京都在住の無職、邸慶梅(28)と劉海成(37)の両容疑者を窃盗や不正アクセス禁止法違反容疑などで逮捕したと発表した。送金先に使われた口座の大半が中国人名義であることなどから、同課は背後に中国系の犯罪組織がいる可能性があるとみて捜査している。
同課によると、兵庫県の建築資材販売会社が昨年9月、ネットバンキングに不正アクセスされ、同社の口座から44の銀行口座に現金計9900万円が送金される事件があった。同社のパソコンは不正送金ウイルスに感染していた。
不正アクセスから約2時間後には44口座のうち40口座に計9100万円の不正送金が完了し、その後17分以内に39口座の計8600万円が東京や大阪、愛知など6都府県の現金自動受払機(ATM)から引き出された。
防犯カメラの映像などから両容疑者が浮上した。容疑は昨年15-9月16日、他人名義のキャッシュカード2枚を使って都内のATMから、不正送金された現金約397万8000円を引き出したなどとしている。両容疑者は送金完了から3分後には引き出しを始めていたとされる。いずれも容疑を否認しているという。
両容疑者は今年16-1月以降、都内の男性や大阪府の企業の口座から別の口座に不正送金された現金計約1000万円を引き出したとする窃盗容疑などでも逮捕されている。その際、邸容疑者は「中国にいる男からの指示でやっていた」「中国の高官が賄賂で受け取った現金を洗浄していた」などと供述していた。
今回の事件で、送金先に使われた44口座のうち26口座は中国人名義で、名義人はいずれも日本から既に出国している。残りの18口座は日本人名義で、キャッシュカードや通帳を紛失したり盗まれたりしたか、架空の人物名義で開設されていた。
警視庁は国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、中国当局にも捜査協力を求める。【斎川瞳】
http://mainichi.jp/articles/20160226/k00/00e/040/151000c
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