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中国で異例の核施設撤回、住民反発で、広東省江門市
2013.7.13 18:59
原子力関連施設の建設に抗議する民衆ら=12日、中国広東省江門市(ロイター)
【上海=河崎真澄】中国国営新華社通信が運営するニュースサイト新華網によると、広東省江門市の共産党委員会などは13日、同市の管轄下にある鶴山市で進んでいた核燃料工場の建設計画を急遽(きゆうきよ)、撤回したと発表した。建設に反対した住民ら約千人が12日に江門市政府前で抗議活動を行ったほか、14日には大規模デモが呼びかけられていた。
当局は13-7月初めに、ウラン濃縮を行う同施設の詳細な計画を公表したが、環境破壊を懸念する住民らは十分な説明がないまま建設が一方的に決まったと反発。これを受け、同市党委や鶴山市当局、核施設関連企業などが「住民の要求を十分理解し尊重する」などとして、取り消しを決めた。
原発建設を国家プロジェクトとして急ぐ中国で、住民の反発を理由に短期間に関連施設の計画が取り消されるのは異例。鶴山市の案件は総事業費が約370億元(約6千億円)。国内原発に核燃料を2017年から供給する計画だった。
原発業界団体の報告によると、中国では昨年秋の原発建設の凍結解除後、世界最多となる29基(合計発電能力3166万キロワット分)の原発が建設中だという。
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