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妊娠中のインフルや発熱が子供の自閉症リスクと関係か
デンマーク研究
母親が妊娠中、インフルエンザや長引く発熱にかかると、子供が自閉症になるかもしれない―。デンマーク・オーフス大学公衆衛生学部のHjördis Ósk Atladóttir氏らは、デンマークの子供約10万人を対象とした研究結果から、こんな可能性を指摘した。詳細は、米医学誌「Pediatrics」(2012; 130: e1447-1454)に発表されている。
軽い感染症や発熱では関連せず
Ósk Atladóttir氏らによると、感染症は妊婦の免疫を活性化させるが、その活性化によって胎児の発達障害を引き起こす可能性が、動物実験で示されている。そこで同氏らは、母親が妊娠中に感染症にかかったり、発熱したり、抗生物質を使ったりしたことと、子供の自閉症やアスペルガー症候群などとの関係を検討した。
対象は1997~2003年に生まれ、2011年に8~14歳だった子供9万6,736人。うち976人(1%)が自閉症やアスペルガー症候群などと診断されていた。
解析の結果、母親の感染症や発熱が軽い場合は、子供の自閉症やアスペルガー症候群などと関係するというエビデンス(根拠となる研究結果)は示されなかった。
しかし、インフルエンザと1週間以上続く発熱では、子供の自閉症リスクはそれぞれ2倍または3倍高くなる可能性が示唆された。また、妊娠中に抗生物質を使うことは、子供の自閉症やアスペルガー症候群などの危険因子と考えられたという。
Ósk Atladóttir氏らは「今回の研究で得られた所見は偶然の可能性もあり、さらなる研究が必要」としている。
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