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コンサート:自閉症の武居さん、母校でマリンバ演奏 優しい音色披露−−下松市立久保小 /山口
毎日新聞 2012年10月20日 地方版
下松市立久保小学校で18日、卒業生でマリンバ奏者の武居輝樹さん(23)=同市西豊井=のコンサートがあった。全校児童365人と保護者が、武居さんの温かな音色に耳を傾けた。
生まれつき自閉症の武居さんは、聴覚が敏感で幼い時から音楽が好きだった。下松中2年の時にマリンバと出会った。曲を聴いて覚えるようになり、県立防府養護学校高等部時代には、県学生音楽コンクール木琴の部で銀賞を受賞。現在は就労施設で働きながら、県内の学校などで演奏している。
この日は光市在住のピアニスト、赤坂佳美さんらと共演し、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「愛の夢」などを披露。体育館は、マリンバの二つのばちが繰り出す柔らかな響きに包まれた。演奏に合わせて児童が「崖の上のポニョ」や校歌を合唱すると、武居さんも楽しそうな表情を見せた。
6年の工藤竜一君(12)は「体いっぱい使って楽しそうで、音の奥が深い感じだった」。12年前、家庭科で武居さんのクラスを担当した甲木(かつき)真知子校長は「あの時、元気すぎるクラスが、武居君と一緒だと優しい様子だったのを思い出した」と目を細めた。【蒲原明佳】
〔山口東版〕
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