３期ぶり景気判断下げ ７―９月期は「足踏み」

王兴

３期ぶり景気判断下げ　７―９月期は「足踏み」

　財務省は12-10-31日、全国財務局長会議を開き、ことし７～９月期の景気状況について「緩やかに持ち直してきたものの、足踏みがみられる」と報告、総括判断を３四半期ぶりに下方修正した。世界経済の減速で、欧州や中国向け輸出が低迷していることが影響した。

　地域別では、全11地域のうち東北、北陸、沖縄を除く８地域が判断を引き下げ、上方修正は沖縄だけだった。８地域以上が下方修正するのは２００８年秋のリーマン・ショック後の09年１～３月期以来、３年６カ月（14期）ぶり。都道府県別でも33都道府県が判断を引き下げた。

　先行きは、東日本大震災からの復興需要の継続や海外経済の改善で「景気回復へ向かうことが期待される」と指摘。一方で「世界経済のさらなる下振れなどにより景気が下押しされるリスクに留意する必要がある」と警戒感も示した。

　城島光力財務相は「切れ目のない政策対応で経済成長と財政健全化の両立を図る」と強調。公債発行特例法案の成立が遅れており、各財務局長らに12年度予算の執行抑制への協力も求めた。

　項目別では、生産（沖縄は観光）が、アジア向け輸出減速やエコカー補助金終了による自動車減産で北陸と沖縄を除く９地域で下方修正。個人消費は、夏のセール時期の分散化や天候不順で衣料品の販売が不振で６地域が判断を引き下げた。