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「昭和史には無数の教訓」 作家・保阪正康さん、小樽で講演
(11/26 16:01、11/26 16:17 更新)
「昭和史はいろいろな教訓を与えてくれている」と訴える保阪氏
【小樽】作家で昭和史研究家の保阪正康氏=札幌市出身=の講演会が25日、北海道新聞小樽支社で開かれ、保阪氏は「昭和史から教訓をくみ取り、歴史に学ぶべきだ」と強調した。
道新文化センターの特別講座で、約30人が参加。保阪氏は、来年終戦から70年の節目を迎える太平洋戦争から学ぶべき点として、《1》軍部による政治のコントロール《2》特攻や玉砕を国家システムとして採用《3》捕虜の扱いなど国際ルールの無視―の三つを上げ、「昭和史には無数の教訓が詰まっている」と指摘した。
特攻隊員の遺書や、特攻機の整備士らの証言を紹介しながら、「特攻隊員に哀悼の意を表するが、指導部には強い怒りを感じる。善しあしを別にしても、日本が軍事力を考えるなら、旧日本軍の問題を徹底的に解剖するべきだ」と訴えた。
歴史の検証について、「歴史の総枠は史実を全てつなぎ合わせて見るべきで予断や偏見を持ってはいけない」とした上で、「国内で都合の良い事実だけを集める歴史修正主義の勢力が大きくなっているが、アメリカやロシア、中国など国際社会からは極右とみなされ、相手にされなくなるだけだ」と述べた。(山岡正和)
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