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自閉症児保護者らの「たんぽぽの会」、仲介活動はじめ1年/横須賀
2014年2月7日
発達障害への理解促進活動や保護者の支援を続ける「たんぽぽの会」の浅羽さん
自閉症やアスペルガー症候群などの当事者と家族らでつくる「横須賀地区自閉症児・者親の会たんぽぽの会」。会長の浅羽昭子さんが中心に取り組む、当事者や保護者同士を仲介する活動「仲活(ちゅうかつ)」の開始から1年がたった。子育ての苦労を分かち合う仲間が出会う貴重な場となっている。
14-2-5日午前、横須賀市立総合福祉会館の一室で「茶話会」と名付けた小さな集いが開かれた。参加者は浅羽さんを含め9人。発達障害などの子どもを育てる親同士で、ほとんどが初対面だ。肩肘張らずに育児や家庭の悩みなどを語り合った。
1980年に発足した「たんぽぽの会」は、これまで勉強会や講演会、自主訓練会などを通じて交流を続けてきた。96年には同会が母体となった「社会福祉法人横須賀たんぽぽの郷」を設立。生活介護事業所やケアホームで多様な福祉サービスを提供している。
自身も発達障害の長男を育ててきた浅羽さん。今でこそ、発達障害者支援法など国や自治体が自立や就労につなげる支援が制度化されたが、「私たちのころは幼稚園や保育園に受け入れてもらうのも大変だった」と振り返る。
現在は、専門的な支援を受けられる療育相談センターに通いながら幼稚園に通う子どもたちもいる。施設に預けている間、働きに出られるなど親にとっても手助けになるサービスが増えた。しかし、施設が充実する一方で「先輩お母さんの話を聞きたい」「同じような障害がある子の親たちと話をしたい」といった相談が同会に多数寄せられるようになった。
「親が子育てに関わる部分が少なくなってきている。同じ障害がある親同士でないと大変さは分からないし、将来的に仲間を持つことは大切だと思う」。浅羽さんは昨年2月、「仲活」を始めた。
「発達障害の特徴を知っている私たち親でも本人を理解できないこともある。だから『うちもそうなのよ』という共感が必要なんだと思う」。今では「仲活」を通じ、連絡を取り合うようになった参加者もいる。「話を聞いてくれてありがとう」。その一言が活動を続ける浅羽さんの原動力だ。
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