|
欧州で麻疹の感染が拡大
2013年05月05日 PM09:13
ECCMID 2013で報告
ドイツやフランス、イタリア、英国など欧州諸国で麻疹患者が増加している。世界保健機関(WHO)によると、過去3年間で欧州において、約9万件の感染が報告された。
ベルリンで行われた第23回欧州臨床微生物感染症学会議(ECCMID 2013)で、2010~11年で、麻疹の感染例が4倍にも増加したことが報告された。同会議は4月27~30日の間で行われ、1万人以上の医師らが参加した。
ミラノ大学の麻疹専門家スザンナ・エスポシト氏によると、特に、フランスとイタリア、英国で懸念が広がっているという。
(Wikiメディアより引用)
予防接種への懐疑
理由としてあげられるのは、西欧の中に根付く、副作用の被害による予防接種への懐疑である。また、新三種混合ワクチンの接種と自閉症発症との間に関係性があると指摘する論文が一因ともいえよう。ただ、ワクチンと自閉症の関連性は、2010年に否定された。
また、東欧において麻疹が流行傾向にある。特に、ルーマニアのシンティ・ロマ人には、十分なワクチン接種がなされていない。2010年にルーマニアで麻疹が流行した時は、2万4000人が感染し、そのうち90%がロマ人だったという。
唯一の予防策
麻疹は、皮膚上に赤い斑点がでてくる、非常に伝染性の強い疾患である。まれに、重い肺炎や脳炎を合併して発病することがあり、なかにはこのために死亡することもある。
麻疹の予防策として唯一の方法は、幼児期のワクチン予防接種である。WHOは、ワクチン接種率が95%以上を目標とし、麻疹撲滅に向けて運動を実施している。
ドイツのロベルト・コッホ研究所は、予防接種を受けたかどうか不明な人や幼児期に1回だけ受けた大人にも、予防接種を推奨している。(太田みほ)
|
|