|
2012年11月15日(木)
全比較!年収「1500万vs400万」の日常習慣【2】
PRESIDENT 2011年2月14日号
著者
アジルパートナーズ パートナー 山崎将志=分析・文 飯田安国=撮影
相手の時間の使い方、意味のあるムダ、高年収者に共通する3つの特徴――。アンケートで明らかになった「残念な人」を脱するヒントとは?
調査概要/2010年12月9~11日、マクロミルを通じて、ビジネスマン(派遣、契約スタッフを除く)を対象にインターネットアンケートを実施。有効回答数は618人。うち、年収400万以上500万未満が309人、年収1500万以上が309人。
「やりたくないことリスト」をつくる
仕事をするうえで、目標を設定することが重要なのは言うまでもないが、面白いのは、立てた目標の大小により、その後の時間の使い方まで変わってしまうということである。ソフトバンクの孫正義社長のように、会社を設立して間もないうちから、年間1兆円単位の売り上げを目標に掲げるのと、自分ひとりが食べていければいいというような目標を立てるのでは、時間の使い方が全く異なってくる。目標の大小については人それぞれであり、ここで是非を議論することはできないが、1500万円以上の年収は、大きな目標がなければ絶対に達成できない金額であることは確かである。
「人生の目的や目標を常に意識している」人は1500万円以上だと「あてはまる」で23.6%を占め、400万円台よりも17ポイント以上も上回っている。さらに「人生の目的や目標を意識するだけではなく、実際に紙に書いている」人になると5倍以上の差が見られた。ToDoリスト同様、瑣末なことに見えても、実際に文字にするということの効果の大きさが窺われる。
目標を紙に書くことと同じくらい重要なのは、目標の達成度や進んでいる方向が正しいかどうかを見直す習慣を持つことである。「人生の目的や目標を紙に書くだけでなく、常に持ち歩いたり、見えるところに貼ったりしている」「目標が実現したか、期限を決めてチェックや棚卸しをする仕組みがある」に「あてはまる」人は1500万円以上だと、それぞれ4.4倍、13.3倍となっている。これを見ても、目標をチェックする仕組みができているか否かが、大きな差となっていることがわかる。
そればかりでなく、「ただ目標を決めるだけでなく、3年以内に実現など、期限を決めている」に「あてはまる」人が1500万円以上で13.6%と400万円台より10ポイント以上も高くなっているように、実際の行動に落とし込むために期限を決めることも重要だ。
長期の目標設定が難しいという人は、まずは自分のやりたいこと、やりたくないことを書き出すことから始める方法もある。「やりたいことリストをつくっている」と回答した人が1500万円以上で60.2%、400万円台で46.3%を占める一方で、「やりたくない、嫌いなことリストをつくっている」人は、それぞれ20.1%、8.4%と大きな差があった。やりたいことが明確でない場合は、やりたくないことの基準を自分の中で整理しておくと、様々な選択の局面で有効な判断基準になる。
「自分が仕事を受けた際、納期を必ず伝えるよう意識している」「その際、具体的な日にちだけでなく『○日の○時』と時間も伝える」人が1500万円以上では、「あてはまる」がともに400万円台の1.7倍以上となっている。このような傾向は、自己を律するというだけでなく、相手の仕事の効率も尊重する姿勢を持っている。
「仕事を頼まれたとき、その時点で、渡された資料などには、ちらっとでも目を通す」に「あてはまる」と答えた人が1500万円以上の人で20%を超えており、かつ400万円台の人より8ポイント以上多くなっている。これは、一見何でもないように思える行為だが、2つの点で注視すべきポイントである。
ひとつは「アウトプットのイメージを共有する」ことが仕事を受ける際には最も重要だという点である。軽く受けたはいいが、納期直前に作業を始めたら、実は相手が何を求めていたか正確に理解していなかったとなると、もう手遅れだ。受けてすぐであれば、確認の猶予がある。
もうひとつは、潜在意識の活用である。たとえば2週間先の納期で、1日で終わるとわかっている仕事があるとしよう。チラッと見て概要を頭に入れておけば、別の仕事をしている間にも脳が潜在的に働いてくれるため、実際に着手したときにはすでに構想は完成していることも多い。仕事ができる人は、そのことを経験的に知っているのであろう。
http://president.jp/articles/-/7820
|
|