衆院解散 長野県内の各陣営は準備に奔走

邓文龙

衆院解散　県内の各陣営は準備に奔走

12-11月17日（土）



衆院が解散された12-11-１６日、新たに借りた事務所の片付けに追われる立候補予定者の秘書ら

　衆院が解散された１６日、県内の立候補予定者陣営も活動を一気に本格化させた。「年内解散」の心づもりをしていたという陣営は多いが、ほとんどが具体的な準備を終えていない。この日も事務所探しやボランティア確保に奔走する事務所関係者が目立った。１２月１６日の投開票日までちょうど１カ月。師走の総選挙に向け、各陣営の緊張感と慌ただしさが増している。

　この日、正式に出馬表明をした新人の陣営。事務所を選挙区内のどの市町村に置くかも決まっていないが、幹部の１人に焦りはうかがえなかった。「いつ解散になるか、と精神的に疲れることがない。一気にムードが盛り上がる」と言葉も前向きだった。次期衆院選出馬に向けて２年近く準備してきた新人は、選挙区内には農家が多いとし「農閑期に入ったことで訴えやすくなった」と冬場の選挙を歓迎した。

　年内解散自体には唐突さを感じないという陣営は少なくなく、元職の１人は「常在戦場。万端ということはないが、もっと早い時期に解散があっても対応する準備をしてきた」。別の新人の後援会幹部は「満を持しての解散に武者震いという気持ちだ」と意気込んだ。

　ただ、事実上の選挙戦に突入するための態勢づくりが済んでいないところも目立つ。

　「解散が予想より１週間早かった」と話す新人は、選挙事務所の確保がこれから。不動産業者に当たり始めたが、「電話回線の手配などもある。できるだけ早く決めなくては」と焦りをにじませた。ある前職は事務所は確保したものの、以前の入居者が残していった事務用品などが山積み。秘書の１人は「ポスターの手配などやらなければならないことがたくさんある」と話し、片付けに追われていた。

　別の新人陣営はこの日、市街地に借りた選挙事務所に机を運び込ぶなど、急ピッチで事務所開きの準備を進めた。ただ、担当者は「選挙カーや事務所などで手伝ってもらうボランティアがまだ足りない」。１２月はただでさえ慌ただしく、別の前職の陣営は「何日も休みが取れる人は少ないのではないか」と、ボランティアを集められるかどうか不安げだった。

　冬場の選挙だけに寒さや雪への対策も必須となる。選挙区内に豪雪地帯がある前職の陣営は「既に７センチ積もっている場所がある。他の季節以上にコストがかかりそう」。選挙カーの出発に支障が出ないよう、屋根付き駐車場を設けることも検討していると話した。

　解散ムードが高まっていたとはいえ、選挙戦に向けた各党の準備も遅れている。再選を目指す前職の秘書は「党のマニフェスト（政権公約）ができていないので、政策を訴えるビラを作ることができない」と困惑顔だった。