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毒と薬は表裏一体 身近に存在する自然界の毒 船山 信次 氏

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发表于 2016-8-13 15:05:40 | 只看该作者 回帖奖励 |倒序浏览 |阅读模式
毒と薬は表裏一体。身近に存在する自然界の毒
薬食同源 薬毒同源

日本薬科大学教授

船山 信次 氏

ふなやま しんじ

船山 信次1951年仙台市生れ。75年東北大学薬学部卒。80年同大学大学院薬学研究科博士課程修了。薬剤師、薬学博士。イリノイ大学薬学部博士研究員、 北里研究所室長補佐、東北大学薬学部専任講師、青森大学工学部教授、弘前大学客員教授(兼任)などを経て、04年から現職。02年より Pharmaceutical Biology (USA) 副編集長。主な著書に「アルカロイド―毒と薬の宝庫」(共立出版)、「図解雑学 毒の科学」(ナツメ社)、「毒と薬の科学―毒から見た薬・薬から見た毒」(朝倉書店)、「毒と薬の世界史」(中公新書)など。現在、高等植物を中心に、その他、微生物由来の抗生物質など、天然物を起源とする有用な天然有機化合物の単離・精製、および化学構造の研究を行なっている。特に有用な物質が多い「アルカロイド」と称さ れる一群の天然有機化合物に着目する一方、「薬毒同源」の考えから、種々の植物由来の有毒成分を明らかにする研究も実施している。
2008年12月号掲載

送信送信大
実は身近に存在している「毒」


──先生は「薬学」の専門家でありながら、その延長で「毒」についてもご研究されていると伺っております。


食の安全が脅かされる事件が多発していることもあり、「毒」には暗いイメージが付きまとっていますが、先生は「毒」をどのようにお考えでしょうか。


船山 「毒」は”怖い””恐ろしい”といったイメージが強いかもしれませんが、実は非常に身近な存在です。

そもそも「毒」というのは、人間の都合で命名したに過ぎません。生体に何らかの作用を及ぼす化合物の中で、私達に芳しくない影響を与えるものを「毒」、都合の良い働きをする場合を「薬」と呼んでいるだけです。つまり、毒と薬は表裏一体で、これを私は「薬毒同源」と唱えています。


──「毒にも薬にもなる」というような表現には、そうした由来があるのですね。


毒にはどのような種類があるのですか。




船山 まず、自然界由来のものと、人工物に分けられます。植物、動物、微生物などの毒が自然界由来で、農薬や、サリンのような毒ガスなどが人工物に分類されます。


そして、自然界由来の「毒」の方が、圧倒的に種類が多く、一般に、毒性も強いのです。





(写真上)スイセン”ティタ・テート”。スイセンはヒガンバナ科の植物。愛らしい姿をしながら、球根や葉に有毒アルカロイドを含む。葉をニラと間違えて食べ、食中毒を起こすケースも
(写真下)アジサイの葉にも、フェブリフジン系のアルカロイドが含まれている<写真提供:船山信次氏>
(写真上)スイセン”ティタ・テート”。スイセンはヒガンバナ科の植物。愛らしい姿をしながら、球根や葉に有毒アルカロイドを含む。葉をニラと間違えて食べ、食中毒を起こすケースも・・・

(写真下)アジサイの葉にも、フェブリフジン系のアルカロイドが含まれている<写真提供:船山信次氏>




──それは意外ですね。ニュースなどで聞く「メタミドホス」に代表される人工的な毒の方が、「毒」の中心だと思っていました。


船山 例えば、「ボツリヌストキシン」という微生物の毒がありますが、これは1gで約5500万人もの命を危うくしてしまう程の威力があります。一方、有名な人工物の毒である青酸カリウムは、フグの毒の約1000分の1の毒性しかありません。


これ以外にも、強い毒性を持った自然の毒は数多くあります。


──それは驚きです。



船山 また、自然界由来の毒は、多くが「アルカロイド」という化合物に分類されます。「アルカロイド」とは、窒素を含む有機化合物のうち、通常のアミノ酸や核酸などを除いた化合物をいうのです。

──ニコチンやトリカブトの毒が、確かアルカロイドですよね。

船山 その通りです。最近、スイセンの葉をニラと間違えて食べて中毒を起こしたり、料理の飾りとして置かれていたアジサイの葉を食べて中毒になる事件がありましたが、これらもアルカロイドのしわざです。


──確かに、毒は私達の非常に身近に存在しているんですね。



「毒」を持った生物が生存競争の中で有利だった!?


──そもそも、なぜ「毒」は存在するのでしょう。人間がつくり上げたものに毒があるのは理解できますが、自然のものである微生物や植物、昆虫、魚などが毒を持っているのは不思議な気がします。
「毒」も生物とともに進化をしているのでしょうか。




船山 「毒」そのものが進化しているとは思いません。今日までに、おそらく何億種類もの生物が自然淘汰の歴史の中で死に絶えてきたと考えられますが、その競争の中で、私達が「毒」と称しているものを持った生物が、持っていない生物より生き残るのに有利だっただけではないか・・・、と思います。


──結果的に「毒」を持つ生物が生き残ったというわけですね。


ところで、そもそも先生はなぜ「毒」に興味を持たれたのですか?


船山 実は、私は子どもの頃から植物が大好きで、中学生の頃は、お年寄りに混ざって園芸教室に通っていました(笑)。大学は植物学科にでも進学しようと考えたのですが、私が関わりたかった高等植物は詳しい分類も終ったと聞き、悩んでいたんです。


そんな折に、薬学部の生薬学教室で植物を研究している記事を見ました。また、ボタンやキク、アサガオは、初めは「薬」として日本に入ってきたと知り、不純な動機ではありましたが、薬学に興味が湧いたのです。



ヒガンバナは有名な有毒植物の一つ。秋の彼岸の頃になると、花茎だけを地面から伸ばして深紅の花をつける
ヒガンバナは有名な有毒植物の一つ。秋の彼岸の頃になると、花茎だけを地面から伸ばして深紅の花をつける<写真提供:船山信次氏>

──そして、現在は植物を中心とした「毒」のご研究をなさっているわけですね。結果的に、先生が志望していた道に進むことができたと。


船山 はい。ですから、仕事はほとんど趣味といっていいかもしれません(笑)。

天然物化学の研究では、日本は世界有数の先進国


──現在はどのようなご研究をしておられるのですか?


船山 主にアルカロイドです。先程申し上げた通り、アルカロイドは毒と薬の宝庫。少しでも役に立つものが発見できれば…と思い、さまざまな化合物の研究を続けています。



アサガオは薬用植物として日本に入ってきた。種子を下剤として使用していたが、作用が強すぎるため現在は使用されていない<写真提供:船山信次氏>
アサガオは薬用植物として日本に入ってきた。種子を下剤として使用していたが、作用が強すぎるため現在は使用されていない<写真提供:船山信次氏>

──しかし、そうした化合物の化学構造式というのは、実際どのように調べるのですか。



船山 私は以前、北里研究所で「放線菌」を対象に抗生物質を探索する研究をしていましたので、それを例にご説明しましょう。


放線菌は土中にいて、1gの土から40種類くらい見付けることができます。そこで、この菌を別々に培養して、目的の菌株を選び出します。次いで、この菌を大量に培養して、目的成分を色々な分析手段を応用して精製し、純粋な形で活性成分(抗生物質の候補)を得ます。こうして得られた活性成分の化学構造を調べるのです。


そして、その方法は、主に化合物の紫外線、赤外線、核磁気共鳴、質量分析などの各種機器分析法による測定とその結果の解析で行ないます。おそらく、一般の方々の想像を絶する方法です。

──緻密な作業を求められる大変なご研究なのですね。


船山 でも、これが実に楽しいということが、薬学の道に進んで新たに分ったことです。


ちなみに、日本の天然物化学研究は世界でもトップクラスです。これは、万葉の時代から植物に親しんできた賜物かもしれません。



ジキタリスをはじめ、園芸植物には有毒なものが多い。なお、ジギタリスの葉には、心臓毒成分が含まれている
ジキタリスをはじめ、園芸植物には有毒なものが多い。なお、ジギタリスの葉には、心臓毒成分が含まれている<写真提供:船山信次氏>

──確かに、北里柴三郎先生が破傷風菌の純粋培養に成功した他、志賀潔先生が赤痢菌を発見するなど、「薬」の研究分野において、日本人の活躍はめざましいものがあります。


船山 日本では古くから微生物の扱い方が上手だったことも、抗生物質研究における活躍の背景にあるのかもしれません。


1868年にフランスのパスツールが、ワイン等を低温で短時間処理し、有害な微生物の繁殖を抑える「パスツーリゼーション」という方法を考案しました。一方、日本では、「火落ち」と呼ばれた製品の劣化を防ぐ目的で、発酵の終わった日本酒に対して低温処理をする「火入れ」という方法を、実に室町時代から行なっているのです。これはパスツーリゼーションと同じ技術です。


──なるほど・・・。日本では日本酒の他にも、味噌や納豆、かつお節といった発酵食品が昔から身近に存在していましたから、おそらくその現象を観察してうまい対策を考えてきたのでしょうね。


船山 ええ。そして抗生物質の生産も、まさに微生物発酵の応用です。新しい抗生物質の発見や生産において、日本は世界の中でも有数な大国のひとつとなっています。


──それは素晴らしい! 日本にはこうした伝統もあったのですね。伺うところによると、先生も種々の新しい発見をなさっているとか・・・。先生をはじめ、多くの日本人が、今後も「薬」そして「毒」の研究でご活躍されることを願っています。


本日はありがとうございました。



近々上梓予定の「毒と薬の世界史」(中公新書、書籍プレゼント参照)のゲラに手を入れる船山氏。「毒」と「薬」が人類の歩み(歴史)にどのように関わってきたのかについても興味を持ち、研究を続けている
近々上梓予定の「毒と薬の世界史」(中公新書、書籍プレゼント参照)のゲラに手を入れる船山氏。「毒」と「薬」が人類の歩み(歴史)にどのように関わってきたのかについても興味を持ち、研究を続けている<写真提供:船山信次氏>

近著紹介

『毒と薬の世界史』(中公新書)
近況報告
船山信次先生が新著『<麻薬>のすべて』(講談社現代新書)を上梓されました。麻薬に関する基礎知識をはじめ、麻薬の歴史や人間との関わりなど、博物学的かつ正確な知識が紹介されています。また、『毒草・薬草事典』(サイエンス・アイ新書)も出版。人間の使い方次第で、毒にも薬にもなる植物ですが、同書では、国内で見られる代表的な毒草・薬草についてその奥深さが詳細に紹介されています。

http://www.athome-academy.jp/arc ... 0000001029_all.html



薬毒同源

毒!生と死を惑乱―「薬毒同源」の人類史

船山 信次【著】
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価格 ¥1,512(本体¥1,400)
さくら舎(2016/08発売)
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サイズ B6判/ページ数 183p/高さ 19cm
商品コード 9784865810639
NDC分類 491.59

内容説明
ヒトなしに、毒は存在しない!なぜ毒はヒトを魅了するのか!ヒトの生き死にに深い影を落としてきた毒を、人類存亡の軌跡をたどりながら解剖する!ソクラテスの毒杯から、病原菌との闘い、化学兵器・生物兵器の開発、麻薬などの薬物汚染まで―超極上の科学読本。
目次
第1章 ヒト、毒に魅了される(ソクラテスとクレオパトラはどちらがより苦しんだか?ドクニンジンと毒ヘビ;不老不死への情熱は何をもたらしたか?煉丹術と錬金術 ほか)
第2章 ヒト、毒の正体をつかむ(同じ「毒消し」に取りくんだ男の人生はなぜ明と暗に分かれたか?ゼンメルワイスとリスター;光学顕微鏡の発明で毒はどこまで裸にされたか?パスツールとコッホ ほか)
第3章 ヒト、毒さえもたのしむ(食のたのしみは毒と薬のはざまにある?薬用植物とキノコ;嗜好品がもつちょうどよい毒とは?アルコールとコーヒー ほか)
第4章 ヒト、毒との攻防をつづける(殺傷を目的とした科学をどうする?化学兵器と生物兵器;麻薬は禁断の「魔薬」か?モルヒネと危険ドラッグ ほか)
著者紹介
船山信次[フナヤマシンジ]
1951年、仙台市に生まれる。東北大学薬学部を卒業、同大学大学院薬学研究科博士課程を修了。薬剤師・薬学博士。天然物化学専攻。イリノイ大学薬学部博士研究員、北里研究所微生物薬品化学部第二室室長補佐、東北大学薬学部専任講師、青森大学工学部教授等を経て、日本薬科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
ヒトなしに毒は存在しない!ヒトの生き死にに深い影を落としてきた毒を人類存亡の軌跡をたどりながら解剖する!極上の科学読本!なぜ毒はヒトを魅了するのか!最新の全貌を明かす!

「毒や薬はヒトと遭遇しない限り毒や薬にはなりません」そして、私たちの身体によい影響をあたえるものを薬、悪い結果をもたらすものを毒という。つまり、「薬毒同源」!

本書は毒に出会い、毒に魅了され、毒を恐れ、毒と闘い、毒を利用してきた人類の軌跡をたどる極上の科学読みもの。ソクラテスの毒から、病原菌との闘い、化学兵器、生物兵器の開発、麻薬などの薬物汚染まで毒を網羅。

第1章 ヒト、毒に魅了される
第2章 ヒト、毒の正体をつかむ
第3章 ヒト、毒さえもたのしむ
第4章 ヒト、毒との攻防をつづける

船山信次[フナヤマシンジ]
1951年、仙台市に生まれる。東北大学薬学部を卒業、同大学大学院薬学研究科博士課程を修了。薬剤師・薬学博士。天然物化学専攻。イリノイ大学薬学部博士研究員、北里研究所微生物薬品化学部第二室室長補佐、東北大学薬学部専任講師、青森大学工学部教授等を経て、日本薬科大学教授。
著書には、ロングセラーになっている『毒と薬の世界史』(中公新書)、『〈麻薬〉のすべて』(講談社現代新書)、『カラー図解 毒の科学』(ナツメ社)、『民間薬の科学』(SBサイエンス・アイ新書)などがある。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784865810639

http://mingniwa.blog94.fc2.com/blog-entry-1860.html

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 楼主| 发表于 2016-8-13 15:08:48 | 只看该作者
毒と薬の科学

担当:長官
毒と薬、それはまさに命の天秤である。
序章.定着したイメージ

毒と薬…、 これらの言葉に対して一体どのようなイメージを感じるだろうか。 中には「毒は危険」「薬は安全」というように全く異なった イメージを持たれる方もいらっしゃるだろう。 今回は、そんな毒物学、薬理学の不思議な世界にスポットを当て、紹介してゆく。

一章.毒、薬との出会いと関わり

地球上に人類が現れた時から、 既に毒をもつ魚、昆虫、ヘビ、植物、キノコなど 毒や薬との出会いは始まっていた。 さらにいえば、「進化」する以前の動物である段階から 毒との密接な関係があったのだろう。 そして、歴史を振り返ると毒に関する話が数多く残っている。 例えば、毒はしばしば食事に混入され、暗殺に用いられ、歴史が動かされてきた。 また、秦の始皇帝が除福に「不老不死」の薬を探させたという話なども有名である。 また、クレオパトラがヘビに胸を噛ませて死んだ(諸説ある)、 暴君として知られるネロ帝などのローマ皇帝たちは 実は鉛中毒の影響を受けていたという歴史ミステリーなどもある。 これは、鉛で出来ているジョッキでワインを飲むと甘くなる のを楽しんでいたためと、考えられている。 また、「ナポレオン毒殺説」など歴史と毒にまつわるエピソードは数多く残されている。

二章.毒との新たな関わり

人類は生きるために数々の犠牲を払いながらも毒キノコなどを 見分ける術を親から子へ少しずつ受け継いでいった。 そして、歴史上で大きなきっかけとなった出来事のうちの一つが 「錬金術」だろう。 錬金術は金でないものを金に変えたりすることが目的であり、 これらは夢物語に終わったが、 エタノールの発見など化学の発展に大きな影響を及ぼすことになった。 16世紀、ルネサンスにおいて パラケルススは「毒は薬なり」と書き残しており、 アヘンを治療に用いていた。 ケシの木から得られたアヘンには麻酔効果があり、 アヘンにはモルヒネなどの成分が含まれている。 以来、毒と薬との関係はこれに続いている。

三章.微生物と抗生物質の発見

ペストによる黒死病の大流行など歴史上には 疾病に関する様々な記述がある。 疾病を引き起こす原因には外的な要因と内的な要因があるが、 その中でもウイルスや細菌などによって 引き起こされる風邪や疾病などにについては、 顕微鏡が発明される以前は全く存在が考えられておらず (一部では微生物のような存在に気づいていた記述はみられる)、 神による裁きや、悪魔による仕業など様々な噂に左右されていた。 そして、顕微鏡などの発明などによって次第に微生物の 存在が明らかになり、フレミングによる ペニシリン、ワックスマンによるストレプトマイシンなどの抗生物質 などの薬の発見によって細菌に対抗できる術が人類にもたらされた。 当サイト内関連ページ「微生物とバイオハザード」

四章.命の天秤

「毒は薬なり」というパラケルススが記した記録にあるように、 毒の中には薬として応用されているものがたくさんある。 今現在でも、様々な薬を開発するために大手の製薬会社は 深海からジャングルの奥地までチームを派遣している。 例えば、ジャングルの奥地で獲物を麻痺させて捕らえる 毒をもつ新種の動物を発見し、その毒の分子の構造が今までとは 異なっていた場合、その構造を人工的に少し変化させて副作用が 少ない新たな麻酔薬を開発したり、難病を治療する薬などが発見される場合があるからだ。 また、新しい「植物」の発見が新薬開発につながることがある。 先ほどのアヘンからは麻酔効果のあるモルヒネが含まれ、 キニーネ、コカインなどの薬物も植物から発見された成分である。

五章.毒に傾く天秤

ある物質が「毒になるか、薬になるかは作用量の違い」という ことはよくあるが、毒としての利用が大半を占めたり、 毒としてしか用いられていない物質などもある(サリンなど)、 毒といえば、食物に関するものとしては、毒キノコ、毒草、 フグ(毒:テトドロトキシン)、杏・桃・梅・リンゴなどの種子 などがあるが、毒物混入事件で ドラマなどで青酸カリ(メッキ、樹脂、繊維の製造など工業的用途として有用) などが用いられる。仮に、青酸カリによって死亡した場合、 皮膚がピンク色に変色し、シアン化物独特のアーモンドに似た匂いを呈するので 法医学者により死因が特定される(当サイト内関連サイト「法医学の窓口」)、 また、ピクニック中に火山から硫化水素ガスなどが多く発生し、 しばしば事故が起きることがある。 人々は、畏敬の念から「殺生石」という名前を付け、 現在は観光名所となっている地域もある (殺生石:栃木県那須。 九尾伝説を調査している時に車で立ち寄ったことがある)

六章.薬に傾く天秤

毒が薬として利用されてきた薬物は数多く、 また、本来は薬ではなかった物が薬としての作用を持っていることもしばしばある。 例えばダイナマイトの原料であるニトログリセリン(舌下投与)は 改良され、現在も狭心症の治療薬として用いられている。 しかし、毒と薬は切っても切り離せない関係であり、 例えば、量が多すぎたり、薬同士の相互作用、体質などによって重大な副作用が 現れることもある。例えば、需要が高い薬物同士としては 薬局でよく目にする非ステロイド性抗炎症剤(風邪、熱が出た時などに気軽に飲まれる薬) と、血液を凝固しにくくするワルファリンと一緒に飲むと脳出血で 死亡することがある。 また、高血圧の患者に処方されている血圧を下げる薬(Ca拮抗薬)と グレープフルーツジュースとの相互作用で低血圧を引き起こす場合などもある。 特に、高齢者の場合、多数の薬を 飲んでいるので、家族は風邪を引いたからといって気軽にこれらの薬や 鎮痛剤を飲ませてはならない。小児、妊婦・授乳中、高齢者、持病がある場合には、 より注意し、出来る限り家庭の医学ではなく、病院、薬局でよく相談して診てもらったほうが安心である。

最終章.健康と薬

近年、健康ブームなどと共に、 数々のビタミンやコエンザイムQ10などが発売され、注目を浴びている。 それに伴い、漢方や薬などが気軽に飲まれる場合も数多く存在するようになったように感じる。 しかし、コエンザイムQ10にしても本来は、成分的には 薬としての作用があり、取りすぎると様々な副作用が現れる危険性がある。 ビタミンも同様で、ビタミンAは脂溶性で、体内に蓄積するので 毎日必要以上の量を取ると副作用が現れる危険性があり、 催奇性があるために、妊娠中などでは胎児に影響を及ぼす危険性も高い。 また、病院などで処方された薬は出来るならば、 薬の辞典やインターネットなどで副作用や、相互作用なども確認 しておくことが望ましい。 「(健康)食品、薬、毒」、これらは、ある意味では先祖が体験してきた 毒物よりも歴史上で最も多く溢れ、身近な存在となっているのだ…

http://www.crc-japan.com/research/d-y/

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 楼主| 发表于 2016-8-13 15:10:48 | 只看该作者
抗生物質  関連

抗生物質 などの薬の発見によって細菌に対抗できる術が人類にもたらされた。 当サイト内関連ページ「微生物とバイオハザード」 内容 :

微生物

担当:長官
細菌、ウイルスなどの微生物と、日常生活、バイオハザードの脅威!!
序章

地球が形成されてから46億年の年月が経過し、 現在、地球上には様々な生物が生息している。 これらの中で最初に姿を現したのはバクテリア(細菌)の一種だ。 "彼ら"は実に35億年も地球上に姿を留めており、 我々にとって過酷な環境である深海や火山 内部などにも生育していることが分かっている。 つまり、 "彼ら"は究極の生命体なのかもしれない。 今回は、日常生活と細菌の関係、"彼ら"が我々に牙を 向いたときのバイオハザードなど微生物学の基本的な内容を含んでいる。 ページを読み終えた頃には、微生物学の専門書を読めるようになっており、 微生物に対しての意識が変化しているかもしれない…

第1章."彼ら"は肉眼で見ることが出来ない微生物

日常生活の中では細菌、ウイルスなどが混同して用いられている。 通常、このような言葉の問題はたいしたトラブルは招かないが、 微生物に関しては大きなトラブルを引き起こす。 そのため、最初にこれらの内容を紹介しよう。 微生物というのは基本的には肉眼で見ることが出来ない生物で、 その中で形などによって細菌、ウイルス、真菌、原虫などに分けられている。 これら微生物全てが私達にトラブルを引き起こすわけではない。 一部の微生物が病気を引き起こし、病原体と呼ばれている。 しかしながらこの病原体という境は人によって異なっている場合がある。 体が弱っている時などは容易に病気にかかってしまう。 特に健康な人にはかからない感染を日和見感染(ひよりみかんせん)という。

第2章.微生物による発病。それを決めるのは天秤のはかり

病気は体が正常に機能出来ないことであるが、その全てが微生物によるものではなく、 老化などによるものなどもある。 まず、ここで確認しなければ感染と発病は異なるということだ。 感染していても発病は起こさない場合があり、 これらはよく天秤のはかりに例えられる。 免疫力などの宿主の力が微生物の力に負けた場合に発病が起きるのだ。

第3章.細菌とウイルスの違い





ファージ。その形状はまるで着陸宇宙船だ。

よく風邪が流行すると「細菌がよく飛んでいるな。 抗生物質をもらいに行こう。」という光景を目にすることがある。 ここではまず、細菌とウイルスの簡単な違いについて説明しておこう。 細菌は私達人間の構成単位である細胞と比較的似ている。 だが、より似ているのは植物細胞である。 細菌は動物細胞の細胞膜の 外側にさらに細胞壁という構造を有している。 これは当たり前のことで、地球上の生物は細菌から進化してきたのである。 それに対してウイルスは生物であるのか、そうでないのか と議論されることがある。 ウイルスも様々な形があるが、簡単なものとしてファージ を例に紹介しよう。上記のファージは、 タンパク質の中に遺伝情報を司っているDNAが入っただけという簡単な構造をしている。 ファージは大腸菌などの細菌にくっつき、 DNAを注入する。すると、細菌の体内でファージが作られて増殖し、 最終的には細菌を破って外に出てくる(他の方法もある)、 このようにウイルスは他の生物を利用して増殖してゆくのだ。 また、ウイルスの中にはRNAの核酸を持ち、DNAを合成する逆転写酵素 をもつエイズウイルスのようなレトロウイルスが存在し、 医療にも応用しようと研究が試みられている。 最初に少し触れたように 一般的な風邪はウイルスによるものである。 次の章では治療に用いられる抗生物質について紹介する。

第4章.細菌などに威力を発揮する抗生物質

さて、よく耳にする抗生物質について紹介しよう。 この抗生物質により致命的な感染症も治療できるようになった。 抗生物質として有名なのはペニシリンだろう。 ペニシリンはフレミングによって偶然発見された。 ペニシリンはある種(Penicillium notatum)の真菌(カビ)が自らを 守るために細菌に対して作り出した成分である。 私達はこの真菌(カビ)に助けられたといっても過言では無い。 現在ではこのペニシリンの構造を少し変えた物も、人工的に 作り出しており、基本的には「~シリン」という名称が付けられている。 なぜ、このペニシリンが一般的に私達人間には致命的な影響を与えることなく、 細菌などに対して効果的に働くのだろうか。 ここで補足しておきたいのは、 人間には致命的な影響を与えないといっても細菌も人間も 元をたどれば同じ祖先を持つ。 そのため、ペニシリンは一部の体質の人はアレルギー。 特に即効型の危険なアナフィラキシー・ショックを引き起こす危険性があるので 注意が必要だ。 このペニシリンは基本的には細菌が動物の細胞よりも植物細胞に似ていることを 利用しており、動物細胞には無い一層外側の細胞壁を破壊する。 その結果、細胞は圧力に耐えられず破裂するのだ。 このペニシリン以外にもストレプトマイシンなど様々な機序で作用する抗生物質がある。 これらはまた異なった方法で細菌に効果を発揮する。 共通しているのは「私達には無く、細菌にはある物をターゲットにしている」ということだ。 先ほど抗生物質はウイルスに対して効かないと書いたが、 ウイルスはこのような構造が無いからである。 しかしながら、風邪を引いた際の抗生物質投与は 細菌による二次感染を防ぐことがある。 そのため、抗生物質投与の有無は医師の判断によるだろう。


細菌の対抗、バイオハザードの脅威…
引き続き「微生物(続編)」をお楽しみください。



微生物(続編)

このページは続きの文章です。検索で来られた方は「こちら」からご覧下さい。
第5章.抗生物質に対する細菌の抵抗

抗生物質が発見され、人間は完全に勝利を確信した。 しかし、35億年の間、形をほとんど変化させずに地球上に 適応出来る"彼ら"は我々が思っていた以上に"タフ"だった。 "彼ら"は抗生物質が働きかける部分の構造を変化させ、 一部の抗生物質は効かなくなった。 特に社会的に問題になっているのは MRSAで、「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」という 頭文字の略である。 この黄色ブドウ球菌(Stapylococcus aureus)は常に体にいるが、 体が弱った時には 危害を与える恐れがある。 尚、細菌の名称はラテン語で「リンネが提案した二名法」に基づいている。 その後、この菌に対してバンコマイシンという抗生物質が 使われたが、最近ではこのバンコマイシン耐性のVRSAが出現し、問題となっている。 例えば壊死した人体の組織に細菌が感染するのを防ぐために抗生物質が 用いられるが、耐性菌の出現のために抗生物質が効かない場合などは 海外では無菌状態のうじ虫も利用されており、 イギリスでは600を超える医療機関で用いられている。 うじ虫はハエの幼虫で、死体に群がっている イメージがほとんどだと思うが、何世紀も前からうじ虫が壊死した組織を 食べることは知られていた。 ナポレオンの主治医だったドミニク・ラリーは戦争で受けた傷に対して うじ虫が感染の拡大を妨げ、、治療を促進したと報告している。 また、こちらは現在科学的に行われないが、 歯の歯髄を取り除くのにウジを利用したという 論文がジョージ・O・ドレーアによって 1933年「デンタル・サーヴェイ」誌に 発表されている。 うじ虫が壊死した組織を食べる以外に、 細菌に抑制的に働くのは 「幼虫の分泌物による抗菌物質、アンモニアによる効果」などが考えられている。 外す際には無菌食塩水が用いられる。

第6章.私達の生活を支える微生物と常在菌

細菌、真菌などの微生物は私達の生活には欠かすことが出来ない。 真菌がいなければパンも作れず、様々な食品も作ることが出来ない。 また、常在菌の存在も重要だ。 常在菌というのは普段、我々と共にいる細菌である。 しかし、先ほど宿主の免疫力などが 低下すると病気を引き起こす場合もあると紹介した。 このように紹介すると常在菌が私達の敵だと感じられたかもしれない。 しかしながら"彼ら"がいなければ、 肌が"かさかさ"になり、ある特定の食べ物などが消化できなくなる。 また、人工的にビタミンなどの栄養を錠剤などで摂取しなければならなくなる。 腸内などにいる細菌は食べ物を分解し、その結果、 私達に有用なビタミンなどを提供しているのだ。 "彼ら"は特殊な酵素によりこのように分解することが出来る。 例えば、家を食べることで知られているシロアリは 腸内に木を分解できる細菌がいるために木を食べることが出来るのである。 常在菌の役割はこれだけではない。 "彼ら"は私達を強力な細菌などからも守っている。 強力な細菌などの病原体は"彼ら"が 私達に生息しているためになかなか住み着くことが出来ないのだ。 私達の体表にいる細菌だけでも常在菌は100兆存在している。 つまり、体を構成している60兆個の細胞よりも多い。 そのため、健康に気を配るには"彼ら" 常在菌抜きで考えることは出来ない。 "彼ら"とうまく共存出来た時に初めて 肌は"すべすべ"になり、腸の調子も良くなる。

第7章.選択的なターゲット。常在菌を回避せよ!!

今まで、抗生物質と常在菌などを紹介してきたが、 風邪などの際にむやみに抗生物質を飲むことが良くない理由が 新たに一つ出てくる。 先ほど紹介したとおり、ほとんどの風邪はウイルスに よるもので、二次感染を防ぐ以外の目的として抗生物質による効果はそれほど 望めない。また、抗生物質は病原体だけでなく、私達と共存している 常在菌にも効いてしまう。"彼ら"が死滅すると 仮に生態系で例えるならば、そこの地位(ニッチ)は"がら空き"である。 その結果、他の細菌などが棲みつくことになる。 このような細菌は私達に、たいていは悪い影響を及ぼす。 例えば、真菌の一種であるカンジダアルビカンス(Candida albicans) などはしばしば常在菌の代わりに生息し、カンジダ症を引き起こす。 このように抗生物質はターゲットを絞っているとはいえ、 周りの無害な細菌までも影響を与えてしまうのだ。 抗生物質を気軽に使わない理由として社会的な大きな目で見るならば 耐性菌の出現を抑える目的もある。 次章では微生物の中でも強力な病原体を一部紹介する。

第8章.結核、コレラ、ペスト…、病原性微生物

私達の歴史は常に病原性微生物との戦いでもあった。 高度な古代文明が存在しても、疫病などによって 幕を閉じることも珍しくなかった。 ここでは、ほんの少し紹介する。

結核菌(Mycobacterium tuberculosis)
この菌は結核を引き起こす菌としてよく知られている。 この菌の恐ろしいところは体の外敵に対する防衛機構に"やられたふり"をして 生きて増殖していることである。ツベルクリン反応によって感染の有無が 確認でき、BCGのワクチンが行われている。

コレラ菌(Vibrio cholerae)
この菌は経口感染し、激しい下痢のため、 極端な脱水症状を引き起こす。発展途上国では特に深刻な問題になっている。 公衆衛生の重要な鍵は衛生的な水の確保である。

ペスト菌(Yersinia pestis)
この菌はノミを介して保菌ネズミを通してヒトへと感染する。 肺ペストになるとヒトからヒトへも伝播する。 黒死病として知られており、 当時、ヨーロッパの人口の半分が亡くなった。

このように地球には他にも様々な病原菌が生息している。 細菌、真菌、ウイルスでもない クラミジア、リケッチア、マイコプラズマといった 分類で分けられている微生物もいる。

最終章.潜在的な脅威、バイオハザード

バイオハザードは 施設から人為的ミス等によって実験外へと出てしまった病原体 などの脅威を意味している。 ゲーム「バイオハザード」では、 アンブレラ社によって作られたウイルスが 人々を次々にゾンビに変え、襲ってゆく。 現実的に、 このような出来事が起こる可能性は 長い目から見てもゼロに近いと思うが、 「もし、人々を脅かした危険な微生物がミス、 あるいはテロなどによって利用されたら…」ということは 誰もが危惧することだろう。 細菌を扱う施設は バイオセーフティーレベルによって4段階に分けられており、 レベル4では極めて危険な細菌を扱っている。 日本では国立感染症研究所がこのレベル4の施設を備えているが、 地域住民などの反対によって"レベル3として機能"している。 そのため、日本で発見されたレベル4の細菌は、 レベル4の施設であるアメリカ疾病対策センター(CDC) に送られている。 これらの危険な微生物を保管するかどうかについては 議論が持ち上がっている。 恐らく、残念ではあるが緊迫する世界情勢の中で、テロなどによって 研究所から盗み出され、 これらの強力な菌が散布されるリスク、可能性をゼロにすることは出来ないだろう。 私達はこのような病原性微生物、 常在菌共にうまく接して対処してゆく必要がある。

http://www.crc-japan.com/research/b-c/index2.html



琵琶湖のハスが消えた 国内最大級の群生地 ミドリガメ被害、生育力低下か :

http://kaseisyoji.com/viewthread ... a=page%3D1#pid82380

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