|
胆管がん労災、印刷会社を略式起訴 大阪区検
西村圭史、川田惇史
2014年10月16日14時42分
大阪市中央区の印刷会社「SANYO(サンヨー)―CYP(シーワィピー)」で働いていた17人が胆管がんを発症し、うち9人が死亡した労災問題で、大阪区検は16日、法人としての同社と山村悳唯(とくゆき)社長(68)を労働安全衛生法違反(事業者の安全衛生措置義務違反)の罪で大阪簡裁に略式起訴した。
起訴状によると、同社は2011年4月~12年4月、従業員50人以上の事業所に義務づけられている衛生管理者や産業医を選任せず、労使一体で対策を検討する「衛生委員会」を設けていなかったとされる。
一方、同社は印刷機を洗浄する作業の過程で、胆管がんの発症原因と推定される高濃度の化学物質「ジクロロメタン」を1996年まで、「1、2ジクロロプロパン」を含む洗浄剤を2006年まで使用。地検は業務上過失致死傷罪の適用の可能性も視野に捜査してきたが、「当時、危険性は一般的に知られておらず、従業員の胆管がんの発症を会社側が予測することはできなかった」として見送ったとみられる。(西村圭史、川田惇史)
事件・事故・裁判 記事一覧
|
|