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早発閉経の患者出産…卵巣組織を凍結、細胞培養
卵子が育たず、排卵しないために妊娠・出産が難しい早発閉経の患者の卵巣組織を凍結、独自の手法で組織内の卵子の元になる細胞を活性化して、出産に成功したと聖マリアンナ医科大学(川崎市)などのグループが米科学アカデミー紀要に発表する。
同大では、早発閉経の患者の卵巣組織の活性化による出産は世界で初めてとしている。
同大の河村和弘准教授らによると、女性は25歳で早発閉経と診断された。ホルモン治療を受けたが排卵せず、29歳で卵巣を腹腔ふくくう鏡下で取り出す手術を受けた。取り出した卵巣組織をいったん凍結し、患者の体が回復した3か月後に解凍した。1ミリ四方に切った上で、特殊な培養液で卵子の元になる細胞を培養。体内で卵子に育てるために、女性の卵管を覆う膜の下に移植した。その後、採卵し、夫の精子と顕微授精させて妊娠。昨年冬、約3300グラムの元気な男児を出産したという。
(2013年10月1日 読売)
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