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発達障害の被告、二審判決確定へ 最高裁が上告棄却
【田村剛】殺人事件で起訴され、発達障害であることを理由に、一審の大阪地裁で懲役16年の求刑を上回る同20年の判決を受けた無職・大東一広(おおひがしかずひろ)被告(43)の裁判で、一審判決を破棄し、同14年とした二審・大阪高裁判決が確定する。最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)が、13-7-22日付の決定で被告の上告を棄却した。
大東被告は、大阪市平野区の自宅で姉(当時46)を刺殺したとして殺人罪に問われた。昨年7月の裁判員裁判の一審判決は、被告を発達障害の一種のアスペルガー症候群と認定。「障害に対応できる受け皿が社会になく、再犯のおそれが強い。許される限り長期間、刑務所に収容することが社会秩序の維持につながる」として、懲役16年を上回る判決を言い渡していた。
この判決に、障害者団体や日本弁護士連合会などから「障害への無理解と偏見に基づく判決だ」などと抗議が集中。今年2月の二審判決は「障害者の社会復帰を支える公的機関が各地に整備され、受け皿がないとは認められない」と指摘し、「一審は再犯可能性の評価を誤り、不当に量刑を重くした」と減刑した。
二審判決によると、被告は障害を周囲に気付かれないまま約30年間、自宅に引きこもっていた。姉に自立を迫られたのを「報復」と受け止め、2011年7月、自宅で姉を包丁で刺殺した。
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