|
「夫婦であることを忘れていた」=水谷豊と伊藤蘭、結婚後初共演-映画「少年H」
映画「少年H」の完成報告会見に出席した水谷豊(後列右)と伊藤蘭(同左)=10日、東京
妹尾河童さんの自伝的小説を降旗康男監督が映画化した「少年H」の完成報告会見が10日、東京都内で行われ、主演の水谷豊、妻の伊藤蘭らが出席した。水谷と伊藤は結婚してから初の共演で、「出来上がった作品を初めて見て、実は夫婦であることを忘れていた」と水谷。自身の還暦祝いで伊藤に出演を頼んだといい、「次は古希のお祝いに」と再共演への期待を込めた。
水谷と伊藤が最後に共演したのは、1983~84年に放送されたテレビドラマ「事件記者チャボ!」。今作では夫婦を演じるが、水谷は「僕の理想としては、見る前は(自分たちが)夫婦と思ってもらい、見る間は忘れ、見た後に『夫婦だったな』と思い出してほしい」と語った。
一方の伊藤は「(今回演じるのは)逆境の中でも明るさを失わず、どこか楽観的な役。原作を読んだ時から人間的な魅力を感じた。声を掛けてくれた水谷豊さんに感謝している」と笑顔を見せた。
「少年H」は、昭和初期の神戸を舞台に、戦争に翻弄(ほんろう)されながらも、強く生き抜く家族の物語。水谷は「いつか戦争をテーマにした映画をやってみたかったので、実現できてよかった」と話し、降旗監督も「戦争を知らない世代には、戦争は忍び寄ってくるものだということを見ていただき、忘れかけた人たちには思い出してもらいたい」と思い入れの強さをのぞかせた。
この作品は、モスクワ国際映画祭の「GALA部門」で特別作品賞を受賞。現地を訪れた水谷は「本上映を向こうの方と見た時、笑ったり泣いたり反応してくれた。思いが伝わったことがうれしかった」と振り返った。映画は13-8月10日公開。(2013/07/10-19:46)
|
|