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株式週間展望=円安基調受け強調展開―日経平均1万5000円視野、政策関連テーマ浮上も
13511-7時26分配信 モーニングスター
来週(13-17日)の株式相場は円安を背景に強調展開が続くと予想する。10日の為替市場で約4年1カ月ぶりに1ドル=101円台まで円安が進行。9日に発表された米国の新規失業保険申請件数で労働市場が改善していることが確認され、これまで関門となっていた1ドル=100円の壁を一気に突破、ドル買い・円売りの流れに拍車が掛かっている。10日の日経平均株価は416円高の1万4607円と急反発、08年1月4日以来の高値となり、2008年6月の戻り高値1万4489円を上回るとともに、07年7月高値から09年3月安値までの押し幅の3分の2戻し(1万4526円)も達成した。5月のSQ(特別清算指数)1万4601.95円もクリアしたことで、テクニカルは上値指向を示唆している。
昨年11月からのアベノミクス相場では円相場が対ドルで約21円下落、日経平均は約5900円上昇した。あくまで単純計算ながら「1円円安で約280円上昇」の威力がある。当面円安が進むとなれば、日経平均は1万5000円台を目指す展開となろう。スピード警戒感は強いものの、企業の好決算を受け日経平均のPERは9日時点で18倍台まで低下、割高感は薄れており、全般の下支え要因となる。外国人投資家の買いも予想され、日経平均の下値メドは1万4200円どころを想定する。
もちろん、為替動向を左右する米経済指標の発表が来週も相次ぐ。13日の4月小売売上高、15日の4月鉱工業生産・設備稼働率、16日の4月住宅着工件数、消費者物価などが注目されるが、景気の好調を示す内容が出れば、いわゆる金融緩和の出口戦略が意識されドル買い・円売りの連想が働こう。国内機関投資家の外債投資の思惑も、円安の背景となってきそうだ。ただ、米国の出口戦略は米国株式市場にとっては、必ずしもプラスに働くとは限らない点には注意しておきたい。
一方、国内では13年3月期決算発表が15日でほぼ一巡する。大成建設 <1801> 、大林組 <1802> など大手ゼネコンやメガバンクの決算が注目される。決算終了で買い手掛かりは減るものの、既発表決算の内容分析から好業績株の見直し買いが期待される。また、6月に向け政府の成長戦略がクローズアップされる時期でもあり今後、政策関連のテーマ株物色にも勢いが出てきそうだ。
このほか、13日には4月の中国の鉱工業生産高・小売売上高が発表される。中国の景気鈍化が日本株市場にも影響を与えてきただけに、今後の動向を占う上で関心が集まっている。(田代哲哉)
提供:モーニングスター社
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