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尖閣(中国名・釣魚島):一歩譲った中国、軍事行動自制
2013/01/19 08:11
今年初めに尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近に戦闘機まで投入した中国が突然軍事行動を自制する立場を表明し、日本の政界関係者を相次いで招くなど、これまでと違った対応を見せている。国際世論と日本国内の穏健派を狙った「ソフト攻勢」に転換したのではないかと分析されている。
中国国際放送系の新聞『世界新聞報』は18日、中国国防省外事弁公室の周波・大佐が「中国軍は釣魚島問題で最大限自制している」と語ったと報じた。周大佐は「武力衝突の余地がはあるが、双方の軍艦は釣魚島から12カイリ以内に進入しておらず、中国の軍用機も釣魚台上空を通過する飛行は行わなかった。日本も事態をエスカレートさせる行為をすべきではない」と指摘した。
中国はこれまで『解放軍報』が「総参謀部が年初に全軍に戦争準備態勢の強化を指示した」と報じるなど、尖閣諸島問題で強硬な立場を固守してきた。こうした状況下で軍幹部が自制に言及したのは異例だ。
中国外務省の洪磊副報道局長は記者会見で「当面求められるのは日本が誠意を示し、両国がお互いに問題の適切な解決と収拾が図れるよう実質的に努力することだ」と述べ、尖閣問題の平和的解決を目指す姿勢を強調した。
日本の政界実力者が相次いで訪中しており、両国実力者による水面下での接触が本格化しているのではないかとの見方もある。自民党と連立政権を組んでいる公明党の山口那津男代表は22日から3泊4日の日程で北京を訪れる。山口代表は安倍晋三首相が公約した尖閣諸島への警察駐留に反対するなど穏健な立場の人物だ。山口代表の訪中は安倍首相との合意に基づき実現した。朝日新聞によると、山口代表は安倍首相の親書やメッセージを持参する可能性があるという。これに先立ち、15日には鳩山由紀夫元首相が中国の学術団体の招きで訪中。今月28-31日には村山富市元首相、加藤紘一・元自民党幹事長ら日中友好協会の関係者も訪中を予定している。
一方、日本国内では強硬意見と穏健的な意見が混在している。訪中している鳩山元首相が16日、尖閣諸島について「係争地であるということを互いに認めるということが大事ではないか」と発言したことについて、小野寺五典防衛相は「『国賊』という言葉が一瞬、頭をよぎった」と述べた。菅義偉官房長官も「わが国の立場と明らかに相反する発言で、わが国の首相をされた方の発言として非常に残念で、極めて遺憾だ」と不快感を表明した。
東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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