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中国:ネット「実名登録制」義務化を決定…検閲強化に懸念
毎日新聞 2012年12月30日 19時00分(最終更新 12月30日 19時49分)
【上海・隅俊之】中国でインターネット管理が急速に強まっている。ネット利用者の個人情報の管理を審議していた全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会は28日、利用者の「実名登録制」の義務化を決定。「ネット言論の自由がさらに脅かされる」との懸念が高まっている。
「ネット情報保護の強化に関する決定」は、接続サービスの契約時に利用者の身元確認を義務づけた。「情報発信サービスの提供」でも身元確認を求めており、中国版ツイッター「微博」やネット掲示板などに匿名で意見を書き込むことができなくなる懸念がある。
決定は「法律違反の情報を発見した場合は削除し、当局に報告すること」と規定し、罰則も設けた。運用は今後整備される関連法規による。利用者5億人超のネット言論は権力の監視役になっているが、今後は当局に不利な書き込みをした利用者の摘発が拡大する危険がある。
中国共産党機関紙、人民日報は今月下旬から連日キャンペーンを展開し、言論の自由とは矛盾しないとしてネット管理強化の姿勢を鮮明にしている。
一方、中国では、ツイッターなどへの接続が、当局の検閲システムで遮断されている。接続するには海外サービスを利用する必要があるが今月に入り検閲が強化された模様だ。
検閲回避サービスの提供会社アストリルは声明で、検閲システムが「更新され、(回避サービスを)自動的に発見、遮断する能力がある」と説明。大手携帯電話会社の関係者は毎日新聞の取材に「検閲の回避サービスを検知すると自動的に切断している」と述べた。
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