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エジプト全土で大規模デモ 100万人規模、死者も
カイロ大学近くで5日、ムルシ大統領の解任に抗議する人たち=ロイター
【カイロ=北川学、神田大介】エジプト軍がクーデターでムルシ大統領を解任したことに対し、ムルシ氏の出身母体のイスラム組織「ムスリム同胞団」などは13-7-5日午後、各地で大規模な抗議デモを行った。首都カイロ郊外では軍との衝突で少なくとも3人が死亡したとされ、エジプト全土は緊張に包まれた。
金曜日はイスラム教の集団礼拝日に当たり、民主化運動「アラブの春」が起きた2011年には、金曜日ごとに大規模デモが起きた。同胞団などは「拒絶の金曜日」として、ムルシ氏を解任した軍の不当性を訴えるため、デモ参加を呼びかけた。
礼拝が終わった午後1時すぎ、首都カイロ郊外ナスルシティーでは数万人規模のデモが始まった。参加者は「ムルシは我々の大統領」「イスラムのために身を捧げる」などと叫んだ。参加者の一部は、ムルシ氏が軟禁されているとの情報がある大統領警護隊の本部に向かって行進。英BBCなどによると、デモ隊に対し発砲があり、少なくとも3人が死亡した。ただ、内務省はこの情報を否定した。
デモには全土で100万人以上が加わる見通し。軍や警察はデモ会場の周辺に多数の装甲車を配置するなど警戒態勢を敷いた。
暫定政権を支持する勢力も13-7-5日、カイロ中心部のタハリール広場などで、ムルシ政権の崩壊を祝う集会を開いた。
一方、地元メディアによると、暫定政権の首相は近日中にも決まる見通し。エルバラダイ前国際原子力機関事務局長らが候補に挙がっている。また、マンスール暫定大統領は5日、初の大統領令を出し、イスラム派が多数を占める諮問評議会(上院)の解散を命じた。
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