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絵や文字で意思伝達 荒川区の小型「支援ボード」
2012年10月18日
荒川区が災害時用に作った「コミュニケーション支援ボード」=荒川区役所で
荒川区が災害時用に作った「コミュニケーション支援ボード」が好評だ。絵や文字を指して意思を伝えられ、聴覚障害や自閉症のある人だけでなく外国人やお年寄りにも役立つ。既に普及しているサイズより小さい点が特長で、全国の自治体から問い合わせが相次いでいる。 (竹上順子)
荒川区の支援ボードは厚紙製の冊子で、縦十センチ、横十五センチの持ち運びに便利な携帯サイズ。避難時の使用を想定し「何がしたいですか」「アレルギーはありますか」など約二十の質問が、一ページに一つ書かれている。
質問の下には、絵と文字で「トイレ」「おふろ」「ねる」などの答えが並び、話し言葉でのコミュニケーションが難しい人でも、どれかを指せばいい。文字は英語とハングル、中国語で表記した。ホワイトボードになるページもある。
区障害者福祉課の山形実課長は「去年の震災では区内でも、聴覚障害者が避難所に行ったものの、手話通訳者がいなかったため混乱した例があった。支援ボードがあれば、専門知識のない人でも対応できると考えた」と製作の理由を話す。
障害者支援の担当者や言語聴覚士ら現場の職員が、必要な質問や答え、分かりやすい絵を考えた。当事者にも話を聞き、項目を絞り込んだ。被災地では女性が「生理用品」「ブラジャー」などを言いにくかったと聞き、それらも加えた。
ことし八月までに五千部を作り、当事者らに配布。福祉避難所にも置く予定だ。各地の自治体などから問い合わせが相次いだため、区のホームページからダウンロードできるようにした。山形課長は「スマートフォンに入れておいてもすぐに使える。ぜひ活用して」と話している。
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