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ウクライナ情勢:対話進める和平工程表プーチン大統領支持
2014年05月13日 12時20分
【ブリュッセル斎藤義彦、ワシントン和田浩明】混迷するウクライナ問題で、欧州の安全保障機関・全欧安保協力機構(OSCE)の議長国スイスのブルカルテル大統領は12日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議し、正常化へ向け、ウクライナ国内勢力の対話を進める「和平工程表」への支持を得た。これを受け、OSCEはウクライナ暫定政権、親露派の両代表が参加する「円卓会議」の準備を始めた。
一方、ドイツのシュタインマイヤー外相は13日、ウクライナの暫定政権と親露派の双方を訪れ、対話を促す。東部2州の住民投票で双方の対立は一層鮮明となったが、周辺国は事態の改善を目指し、外交努力を活発化させている。
和平工程表は、(1)暴力停止(2)円卓会議による対話(3)武装解除(4)大統領選挙実施−−が柱で、14日にもキエフで円卓会議開催を目指す。OSCEは武装解除のための基金設置も始めた。
OSCEやロイター通信によると、プーチン大統領とOSCEは「暫定政権と(親露派が独立宣言した)東南部の代表との直接対話を含め、OSCEの提案に沿った努力を続けることが重要」との点で一致した。OSCEは「米露、欧州連合(EU)、ウクライナ暫定政権から前向きな反応を得た」としている。
交戦などで互いに死傷者を出し、厳しく対立している暫定政権側と親露派が直接対話する可能性は現時点では低いとみられている。このため、シュタインマイヤー外相は両者の説得にあたる。また、ウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相が13日、ブリュッセルでバローゾ欧州委員長と和平や支援について話し合う。
一方、ウクライナ東部2州の親露派住民が実施した住民投票について、米国務省のサキ報道官は12日の定例記者会見で「ウクライナ法上、違法であり、国を分断し、混乱を生む試みだ」と批判、結果を受け入れない意向を改めて示した。また、住民投票で二重投票や子供の投票など結果の正当性に疑念を持たせる行為の情報もあったと指摘した。
ケリー米国務長官も14-5-15日、ロンドンでウクライナ情勢について各国外相と協議する。(毎日新聞)
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