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発達障害、触れ合い育む 支援施設と保育園併設 小金井市10月オープン
2013年2月1日 13時55分
現在のピノキオ幼児園。フェンスを隔てて左にけやき保育園がある=東京都小金井市で(梅村武史撮影)
発達障害のある幼児の支援施設と保育園を一つの建物内につくり、子ども同士の交流を進める独自の試みを東京都小金井市が10月から始める。発達障害の子どもは症状改善や社会への適応力の向上が期待できる。一方、保育園の子どもに偏見や差別のない心を育てる狙いがある。「市町村レベルでは他に聞いたことがない」(市障害福祉課)といい、取り組みが注目される。 (梅村武史)
市は、発達障害や知的障害、身体障害のある未就学の子どもの自立を支援する市立幼児通所訓練施設「ピノキオ幼児園」を十月に「市児童発達支援センター」に改組。十八歳未満の発達障害児を持つ親の相談事業なども始める。改組に合わせ、区画整理によって「市立けやき保育園」が移転する建物内にセンターを併設する。
ピノキオ幼児園には現在、二歳以上の未就学児十五人が通園。自閉症などの広汎(こうはん)性発達障害と、落ち着きがなかったり切れやすかったりする注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などの発達障害児たちを対象に訓練を行っている。施設が広くなり、来年四月から児童も増え、二十一人が通う見込み。
ピノキオ幼児園とけやき保育園は一九七六年からフェンスを隔てて隣接。両園児たちは運動会や学芸会などを通じて交流してきた。両園が同じ建物に併設されるのも、市民の強い要望があった。
発達障害が専門で市のアドバイザーを務める東京学芸大教育学部の高橋智教授は「子どもはお互い刺激し合って成長する。健常児との触れ合いで要支援児の症状の改善や社会的な適応力の向上が期待できる。特に就学前の早期対応は有意義」と話す。稲葉孝彦市長は「健常児にとっても偏見や差別のない心を育てることにつながる」と期待する。
発達障害は、主に乳児期から幼児期にかけて特性が現れ、近年、増加傾向にある。昨年の文部科学省の調査によると、全国の公立小中学校の子どものうち発達障害の可能性があるのは6・5%。高橋教授によると、北欧では15%とされ、日本でももっと多い可能性もあり、市の取り組みが注目される。
市は新年度予算案でセンターの維持管理費一億千八百万円を計上する。
(東京新聞)
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