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郷土の文化 次世代に 大熊町自閉症児親の会が5年で紙芝居100本計画
郷土の文化を次世代に伝えようと、大熊町自閉症児親の会「スマイル」は地域の民話を掘り起こして紙芝居にする活動を始めた。東京電力福島第一原発事故で町民が散り散りに避難している中、古里をいつまでも忘れないでほしい-との願いがこもる。町民の避難生活の模様も紙芝居にし、記録として残す。5年間で計100本作る計画だ。
いわき、会津若松両市と東京都内に避難している会員35人が町の民話集などを参考にし、それぞれの避難先でお年寄りらに聞き取りしながら内容をまとめている。
仕上げた民話を紙芝居にする作業は、交流のある広島市のボランティア団体・ボランテボ広島が担当している。野上地区の「玉の湯発見物語」、熊川地区の「山の神の大桐」など、これまでに5本を完成させた。
避難生活を題材にした紙芝居では、慌ただしく避難を始めた原発事故直後の様子や避難先で芽生えた交流、再起を果たした町民の姿などをテーマにする。
民話を80本程度、避難生活の模様を20本程度作製し、仕上がった紙芝居から順次、避難先などで町民に披露する。いわき市で避難生活を送るスマイル代表の栃本正さん(61)は「紙芝居を通して、美しい古里の光景と原発事故にも負けない町民の姿を後世に語り継ぎたい」としている。
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