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楼主 |
发表于 2013-6-15 13:25:22
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只看该作者
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第31回】 2
「上司に嫌われているから、自分の企画が通らない」と考える人々
わずか5分の企画のため、異様に分厚い資料を作る
前にも記したが、僕が働くテレビ番組の制作現場には、僕と似たタイプ、つまり発達障害の人間独特の言動をする者が明らかに多い(第20回参照)。分単位どころか秒単位で時間にこだわる同僚、事前に細かく計画立案しておくことに異常に厳しい先輩、自分が制作に携わったニュース番組の映像の全カットを覚えている上司・・・。
中には、いっさい場の空気が読めず、相手の気持ちにも配慮せず、会社の"偉いさん"に向かって、「『コンプライアンスが重要だ』とおっしゃいますが、以前、僕の上司だったときは『グレーな部分に踏み込んで仕事をする度胸を持て』とおっしゃっていたじゃないですか」と正論で詰め寄ってしまう者もいる。
彼らは総じて、他人とのコミュニケーション能力が低い。だから、発達障害に由来する特徴を持たない"普通の人"に対して、思いもかけないときに、思いもかけないひどいことを言って、軋轢を起こしてしまいがちだ。
そうなれば、当然、言われた側は怒る。一方、傷つけてしまった「空気を読めない側」は多くの場合、相手が何に怒っているのか理解できず、戸惑うばかりになる。
この点についてのみ、ASD的な傾向を持つ職場の同僚たちと、僕の息子は違っていた。息子が家の中でときどき見せる感情の爆発や、大声でわめき散らす行動は、少なくとも、職場で見たことがなかった。発達障害を持っていると思われる同僚たちは、激情をあらわにしない代わり、ただ周囲との違和感や居心地の悪さに悩んでいるように見えた。
しかしS君は、その点で、似た傾向を持つ他の同僚たちと決定的に異なっていた。そのことが明らかになった大きな"事件"が、彼の入社から1ヵ月ほど経ったときに起こった。
その日の午後2時過ぎ、会社の最上階の会議室に、記者、ディレクター、アナウンサーなどスタッフ全員が集められ、ニュース番組の企画会議が開かれていた。求められていたのは、「企画もの」と呼ばれる5分程度のコーナーのプランである。
僕も、新米ディレクターのS君も出席して、考えた企画を上司の前でプレゼンすることになっていた。会議室にはコの字型に机が並べられ、出席者はその周りに座って順番にプレゼンをしていった。
会議が始まって30分ほどが経過し、S君が説明する番になった。彼はものすごい勢いで立ち上がると、緊張のせいか興奮のせいか、ぴょんぴょんと跳ぶように小走りして、自分で作成した分厚い資料を全員に配っていった。「Sの奴、もっと落ち着けばいいのにな」と僕はひそかに思った。
配付された資料を見ると、パワーポイントで作られ、カラー印刷されて、非常に見やすくデザインされていた。ただし、分量の多さが異様だった。たかだか5分くらいの企画ものの資料なのに、A4の用紙で20ページ程度もあったのだ。
S君の様子は、最初こそ緊張気味だったが、プレゼンが始まると次第に堂々としたものになった。「これは絶対に面白いです!」と全身で訴えるような雰囲気を醸し出しながら、早口で企画の説明をしていく。ここまでは、テレビの制作現場でよく目にする光景だった。
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