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子ども、甲状腺がん57人 福島の37万人調査
2014年8月25日
東京電力福島第一原発事故による健康への影響を調べている福島県は14-8-二十四日、震災当時十八歳以下の子ども約三十七万人を対象に実施している甲状腺検査で、甲状腺がんと診断が確定した子どもは五月公表時の五十人から七人増え五十七人に、「がんの疑い」は四十六人(五月時点で三十九人)になったと発表した。
福島市内で開かれた県民健康調査の検討委員会で報告した。地域による発症率に差がないことも報告され、委員会の星北斗座長は、現時点で放射線の影響がみられないことが裏付けられたとした上で、「今後、詳細な分析が必要だ」と述べた。
調査を担当する福島県立医大は、今回初めて県内を四つに分けた地域別の結果を公表。検査を受けた子どものうち、疑いを含めた甲状腺がんの発症割合は、第一原発周辺で避難などの措置がとられた「十三市町村」では0・034%。県中央の「中通り」は0・036%、沿岸部の「浜通り」は0・035%と地域差はなかった。
原発から一番遠い「会津地方」は0・028%とやや低めだったが、医大は検査を終了した子どもが、ほかの地域に比べ少ないためと説明した。
国立がん研究センターなどによると、十代の甲状腺がんは百万人に一~九人程度とされてきたが、自覚症状のない人も含めた今回のような調査は前例がなく、比較が難しい。
疑いも含めた甲状腺がんの子ども計百三人のうち、最年少は震災当時六歳。原発事故から四カ月間の外部被ばく線量の推計値が判明した人のうち、最大は二・二ミリシーベルトだった。
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