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标题:
政策研究大教授・大田弘子 本当の地域医療計画を
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作者:
旅行家
时间:
2013-9-5 08:28
标题:
政策研究大教授・大田弘子 本当の地域医療計画を
政策研究大学院大学教授・大田弘子 今度こそ本当の地域医療計画を
2013.9.5 03:08
わずか10年後に団塊世代が後期高齢層(75歳以上)に入るが、いまだに社会保障制度改革の全体像が見えてこない。8月6日にとりまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告は、将来の給付と負担のバランス改善にまったく踏み込んでいない。議論の基となった「社会保障と税一体改革」が高齢化を乗り切る道筋を示せなかったために設置された会議であったにもかかわらず、である。
≪本格的「家庭医」導入せよ≫
しかし、すでに国の一般会計の3割に至った社会保障関係費をこのまま増えるに任せるのは現実的ではない。社会保険料も、増税のように話題にならないだけで静かに確実に増え続けている。大企業従業員にもっと負担させようと、取りやすいところから取るのも限界だ。新設が報道された有識者会議で給付面の合理化を早期に審議し、10年後と20年後を乗り切る社会保障制度の姿を明確に描かねばならない。
今回の報告の重点は、地域ごとの医療計画の策定にある。ほんとうの意味での地域医療計画がないことが、日本の医療のさまざまな問題を生んできた。いまでも地域医療計画がつくられてはいるが、既存の病院や診療所に配慮して、あまり意味のないものになっている。本格的につくられれば、報告に書かれているように「同じ負担の水準であっても、現在の医療とは異なる質の高いサービスを効率的に提供できることになる」。
報告には、県ごとに将来どのような医療サービスがどの程度必要になるかを見定め、地域医療ビジョンを策定して、それに沿って医師や病院や高額医療機器を適正に配置することが書かれている。これを実現するには、次の3点が不可欠である。
第1は、報告に書かれた「総合診療医」を、本格的な「家庭医」にすることである。家庭医は、種々の病気を診る訓練を受けた専門の総合医で、単なるかかりつけ医や診療所のことではない。日本の医療の問題のひとつは、初期診療(プライマリーケア)を担うゲートキーパー機能がないことだ。家庭医がグループで医療センターをつくり、24時間診療の体制を整えれば、夜間の不安や診療科のたらい回しといった事態が解消する。
≪中核病院に人と金を集中せよ≫
第2は、地域の中核病院を明確に指定して、そこに人材と資金を集中的に投入することである。日本の医療のもうひとつの問題は、病院の規模が非常に小さく、かつ多数存在することだ。小規模ゆえに機能が限定されるし、高額医療機器を病院ごとに持つなどの非効率が生じている。報告では、ホールディングカンパニーのような形態で複数の医療法人がグループ化されることが想定されているが、単にグループ化するだけでは既存病院の温存だけで非効率は解消されない。本格的な統合と機能強化が不可欠だ。
この中核病院と家庭医がITで結ばれて治療データが共有され、家庭医が各家庭とITで結ばれれば、医療サービスの質と住民の安心感は格段に高まる。これまでこうした計画配置がなぜできなかったのか。病院・診療所の大半は民間経営だから、国の計画に従わせるわけにはいかない、ということがよく言われる理由であり、今回の報告書にもそう書いてある。
しかし、保険診療を担い、税金と保険料という公費が投入されている以上、地域の計画に従うのは当然のことである。現在は医師免許さえあれば、どの地域にどの診療科目で開業するのも自由だが、保険診療を行うなら、地域計画に沿ったものに開業を限定してしかるべきだ。公費を投入しながら開業を自由に認めている先進国を、私は他に知らない。
≪県単位より広域でとらえよ≫
第3は、なるべく広域をカバーし、長期の視点をもった計画にすることだ。これから急速に、大都市部での高齢化が深刻化する。会議に提出された国際医療福祉大学の高橋泰教授の推計には、大都市部で75歳以上の人口が大幅に増え、医療も介護も供給が厳しくなる姿が如実に示されている。
医師不足の深刻度も、地域によって大きく異なる。医師の偏在の是正策や、医師と看護師の役割分担の見直しが急務だ。加えて、全国一律に医学部の新設を禁止し、既存医学部の定員増でのみ対応している現行規制を見直し、実際に地域で役立つ医師を最優先で養成すべきである。
こうした地域間の違いを考えれば、県単位より広域の地域で計画を立て、医療資源を調整できるようにしたほうがいい。また、高齢化の進行の速さを考えれば、20~30年先の推計をベースに長期計画を立てながら、5年ごとの計画にブレークダウンしていく必要がある。
今回の報告を実行に移すためのプログラム法案骨子では、地域医療計画の策定は5年後となっている。しかし、高齢化のスピードを考えれば残された時間はあまりに少ない。一刻も早く着手し、今度こそほんとうの地域医療計画をつくるべきである。(おおた ひろこ)
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2013-9-5 08:28 上传
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